ビジネス

2018.10.16

これからが第二章 「モテのカウンターカルチャー」を創りたい|ハヤカワ五味

ファッションデザイナー ハヤカワ五味




「モテのカウンターカルチャー」を創る

──今後、成し遂げたいビジョンをお聞かせください。

今後うちのブランドが獲っていきたいポジションは、女性にとっての「モテのカウンターカルチャー」だと思っています。

「モテたい」という気持ちは人の欲望の根っこの部分だとは思うのですが、いま若い女性にとっての「モテ」の対義語が「バリキャリ」になってきてしまっているのではないかと若干心配しています。

私は常日頃、仕事をバリバリしながらも素敵な生き方をする「バリキャリ」女性を見ているから対義語ではないと否定できますが、多くの若い人は優秀な上司の女性が結婚していなかったり、敬遠されたりする状況を見ているのではないでしょうか。だからこそ「バリキャリ」が「モテ」の対義語、つまり「モテない(=好かれない)」になりつつあるように感じるのではないかと思います。

私はそうではないと提示していきたいです。仕事を頑張ることは、人間的な魅力に繋がるものであると伝えたい。無知を振る舞い、弱く見せることがだけが「モテ」ではないと信じていますし、実際、ゆうこすちゃんなどを初めとして新しい「モテ」の定義が確立され始めていると思います。むしろ、ビジネスのことを語ることがオシャレであるという社会にしていきたいと思っています。

その点、まず、「バリキャリ」女性に向けたファッション情報を編集して、発信するプラットフォームのようなポジションを取れたらいいなと思っています。というのも、仕事に集中している「バリキャリ」女性の場合、接する情報量が多くファッション情報を受け取りにくい状況になっているとも思っています。そもそも「バリキャリ」という表現もダサいので変えたいところですが。

彼女たちに情報を提供し、「仕事ができて魅力的な女性はうちのブランドの服を着ている」くらいのポジションを取る。それが私たちが目指す「旧来型”モテ”のカウンターカルチャー」を創ることに繋がると思っています。

──まだ若い顧客も多いかと思いますが、そういった方々へのメッセージでもあるということでしょうか?

将来的にはうちのブランドの情報発信を通して、「女子高生でもビジネスについて知ってるのがお洒落、かっこいい」ぐらいになってくれると嬉しいですね。5年スパンで考えれば、そういったユーザーが私たちの会社に入社して活躍してくれるかもしれません。

ブログの情報発信でタイトルの台紙をポップ調にしているのは、そういった若い層を意識しています。内容が重すぎるので、流石に女子高生には読まれていないかもしれないですけれど。(笑)

──最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

本日は記事をお読みいただき、ありがとうございます。

私は小売業を個人で立ち上げてこうして会社をやっているんですけれど、小売ってお客様からお金を直接いただいて商品をお渡しするというビジネスなので、お客様から直接評価されて、しっかりそれが数字として見える、すごく気持ちのいい仕事です。

なので、小売で起業される方だったり、うちの会社に来ていただく方であったり、何かしらで小売に関わってくださる方が増えるとより面白くなっていくのかなと思っています。ぜひ、うちの会社でも、起業でも、小売の魅力をより知っていただけたら嬉しいです。

連載 : 起業家たちの「頭の中」
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文=村上岳 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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