NASA飛行士が語る、宇宙空間でのセルフケアの大切さ

NASAの女性宇宙飛行士、トレーシー・コールドウェル・ダイソン(Getty Images)



コールドウェル・ダイソンは、3回の船外活動でこの光景を直接目にできた。船外活動は宇宙飛行士が行う活動の中で特に危険なものの一つで、非常時やどうしても必要な場合のみに行われるのだという。

船外活動に臨む飛行士は、初めて宇宙の真空状態で自分だけの状態を経験し、訓練用プールの底の代わりに地球が足元で回っているのを目の当たりにするが、その光景に見とれる時間はあまりない。可能なときにその瞬間をかみしめるしかないのだ。

「ある船外活動で、パートナーを待っている間、宇宙ステーションの端から離れたところで一人きりになって夜の暗闇の中に浮かび周囲を見ていたら、地平線の向こうから太陽が昇ったことがあった。日が昇る前でさえも、いろいろなことが起きる。素晴らしい青い影が見え始め、ステーションの巨大なソーラパネルがトースターの電熱線のように輝き始めた。それから地球が目覚め始め、輝く光が現れて地球の表面を横切り照らした。その後、火の玉のような日の出の光景が始まった。これは全て60秒ほどで起きたこと。私は、ただ圧倒された。純粋に安らかな一人の時間で、地球からは何も通信がなかったので、この光景をただ楽しむことができた」

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事