ロボットが雇用奪う未来を恐れるな

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アップル、アマゾン、フェデックス、UPSの例に学ぶ

人生にはサプライズが溢れている。1970年代後半当時では、カリフォルニア州クパチーノの技術オタク集団が世界で最も強大なブランドと雇用創出の強力な原動力を生み出すことなど、誰も想像できなかった。今日のアップルは12万4000人を雇用し、今後5年間で2万人を増員すると宣言している。米国内の9000社のサプライヤーやパートナーまで含めると、アップルは200万人分の雇用を生み出していることになる。

アマゾン・ドット・コムも良い例だ。ジェフ・ベゾスが1993年に小さなオフィスと倉庫で創業した同社は、今や56万6000人の従業員を抱えている。同社は「第2本社」の新設を計画しており、平均年収10万ドル(約1100万円)の従業員を新たに5万人雇用する予定だ。また、アマゾンをはじめとするオンライン小売業者を支えるフェデックスやUPSなどの配送業者は、100万人近くを雇用している。

ソーラーなどの成長産業

15年前、太陽光エネルギーの存在感はわずかだった。それが今や、全米で約26万人の雇用を生んでいる。大半は現場での設置工事業務に関わるもので、その数は急速に増えている。米国における新たな雇用の50件に1件はソーラー関連だ。

これら企業や何百という他企業が持つ雇用創出のポテンシャルは、工業用ロボットが本格導入され始めた1970年代や80年代には想像もつかなかった。さらに、米国などの経済大国が現在のダイナミズムを維持すれば、さらなる雇用を生み出す新企業が出現し続けるのは間違いない。

先を見据える

もちろん成長に伴う痛みはあるが、痛みのない成長など存在するのだろうか? 雇用主、政府、個人は、労働者とそのコミュニティーに貢献する形でオートメーションの長所を生かし、この移行を容易にするステップを取ることができる。

革新的で先進的なプログラムが既に、人々をやりがいのある高収入の職業へと導いている。見習い制度を通じたスキル取得や再習得に焦点を当てたプログラムで、カギとなっているのはコミュニティーカレッジと地元産業との提携関係だ。結果、これまで必要な高技能候補者を見つけられずに絶望していた企業のニーズを満たすことに成功している。

オートメーションは、多くの人々が仕事から真の満足感を得られるような道を開くことだろう。オートメーションの良さは、人間のポテンシャルを発揮させるプラットフォームを提供することにある。私たちはこれを通じ、ロボットやオートメーションを自分の味方につけ、驚くべき形で世界を一変させようとしている。

編集=遠藤宗生

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