ライフスタイル

2018.10.14 12:00

スポーツとクーペの「愛の子」、SUVを超えたBMW X4


X3をベースにしているX4には、新しいAWDシステムが搭載されている。フロントには20%、リアに80%の駆動配分は、X4の走りをより安定させ、ボディロールを低減している。またステアリングはより手応えが出たと同時に、ドライバーに適度な情報を伝え、姿勢をより安全にしてくれる。

その直6とAWDのおかげで、X4の走りは、より速くなると同時によりシャープで、重厚感が増した感じだ。ブレーキも当然強力だし、急ブレーキをかけてもノーズダイブは驚くほど少ない。だから、もし「マッド・マックス」の砂漠のサバイバルレースに出ても、悪役のクルマから楽に逃げられると思う。

インテリアにも一段と高級感と機能性が加わった。縦幅が低くなったダッシュボードの、センターコンソールの上部にワイド画面のタブレットを立て掛けるなどは、新世代BMWに共通するモダンなテイストだ。



目につく高い位置にあるマルチメディアシステム「iドライブ」のレイアウトはスッキリしているし、スイッチなどの操作もわかりやすい。唯一、画面の前で指を動かして操作するタッチ不要の「ジェスチャーコントロール」は慣れが必要そうだ。それでもBMWに乗るたびに微笑むのは、インパネにあるメカダイヤルとプッシュスイッチの組み合わせによる使い勝手がとても優れていることだ。

前席は横のボルスター部分がついているので、軽快に走っていても、シートのホールド性がいい。でも、このX4は4ドアのスポーツクーペなので、後部席が多少犠牲にされる。大人4人は楽に乗れるけど、一つ条件がある。それは、後部席に乗るには、身長182cm以下でないとダメということ。デザイン重視のなんちゃってクーペだから、しようがないね。

M40iの他に、日本には「20i」と30iというガソリンモデルが導入され、残念ながらディーゼルモデルの導入計画はないという。でも、多くの顧客は、M40iのパワフルなスペックと、21インチのタイヤを含むマッチョなルックスを選ぶ気がする。この仕様は走りが極めて楽しくて、格好いいんだから。

連載:国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」
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文=ピーター・ライオン

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