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Fighting Pseudoscience


ファスティングのもう一つの効果は、代謝だ。アントンの論文は「こうした有益な効果の多くを引き起こす鍵となるメカニズムは、代謝を切り替えることにあるようだ」と述べている。

代謝の切り替えは、体が通常のエネルギー源であるグルコースを切らしたときに起きる現象だ。脂肪の燃焼が始まるため、脂肪が脂肪酸に変わり、ケトンが生成される。そうすると、体はグルコースの代わりにケトンを使うようになる。

それでは、エネルギー源をグルコースからケトンに切り替えるにはどれくらいの期間ファスティングが必要なのか? アントンらは次のように述べている。

「代謝の切り替えが起きるのは、肝臓グリコーゲン含有量やファスティング中の運動量にもよるが、食事が終わってから大抵12~36時間後だ」

しかし、これだけで終わりではない。効果を得るためには、切り替えが起きてからしばらくの間ケトンを燃焼しなければならない。私は2014年、バルター・ロンゴの研究から、3日以上の長期ファスティングを行えば著しい健康増進効果が長期的に得られるという新たな証拠が見つかったことについて執筆した。ファスティング期間として3日間は長い。こうした長期のファスティングを行うのは、年数回でよいとロンゴは述べている。

ファスティングを試すと決めた場合、簡単にできると思わないこと。ひどく空腹に感じるし、社会的義務にも不都合な影響が出かねない。

私の方では、こうしたダイエット法の根拠はいまだ明確ではないことを強調しなければならない。現在複数の研究が進行中なので、今後はさらに明確な状況が見えてくるかもしれない。どちらにせよ、ファスティング方法やダイエットの昨今の流行に関係なく、ファスティングには本当に健康増進効果をもたらす可能性がありそうだ。

翻訳・編集=出田静

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