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2018.10.25

嫌われ者社長からの脱却 部下の一言が社長と企業を成長させた

武川克己 Bbo代表取締役社長

D2Cのベンチャー企業として2010年に創業したビーボがいま、これまでの枠組みを超えて、新たな領域へと挑戦しようとしている。新事業を始めても、一貫しているのは「顧客の目的を達成する」という企業理念。企業の躍進の背景には、社長・武川克己の内省と成長があった。


ワンマン社長だった創業初期

「ここまでガラッとイメージを変えてメディアに出るのは今日がはじめて」。ビーボの武川克己は、撮影に向けてワイシャツに着替えると、そんなことを言った。これまでTシャツやラフな格好で対応してきたが、9期目に入った今年9月からはスーツで臨むという。「美容・健康商品を扱うD2Cベンチャー企業というイメージを刷新して、変えていきたい」と言いながら、武川は数本のネクタイを手に持ち、社員にどの色がいいか尋ねる。「青がいいですよ」と言われると、素直にそれに従った。
 
いまでこそ社員とこんなコミュニケーションをとるが、以前の武川は嫌われ者のワンマン社長。部下の言うことには少しも耳を傾けなかった。当時、部下につけられたあだ名は「なんでマン」。部下の提案や発言に常に否定的で、「なんで?」としつこく詰め寄ることにちなんだ蔑称だった。「あとになって社員から言われて気づいたけど、僕に1時間も『なんで?』と言われ続けた人もいたそうです」今だから笑える、と添えながら、武川は話す。

限界を感じたとき、部下に言われた一言で目が覚めた

2010年の創業から約3年、武川は社内のすべての仕事を自分で管理し、当時の従業員約20名全員の行動に逐一口出ししていた。会社が成長し続けているうちは良かったが、やがて業績が伸び悩み始める。途方に暮れた武川に、ある社員がこんなことを言った。武川さんは、お客さんのことを見ていない、と。

「デジタルマーケティングが専門だったこともあって、数字ばかり見ていたんです。社員に言われるまで、顧客が何に本気で悩んでいて、うちの会社に何を期待しているかを考えていなかった」。当時注力していた商品は、酵素ドリンクだった。「顧客は、痩せたい、きれいになりたいと思い商品を手にするけれど、それを飲むだけではなく、行動を改善することによって効果を発揮すると伝えないと意味がない。商品を届けたあと、お客さんの栄養管理や行動管理にもケアしながら、長く寄り添い、関係を築かないとビジネスは続いていかないと気がついたんです」。

武川が社員の話に耳を傾けるようになると、途端に社内の雰囲気も変わっていった。社長に指示されたことをこなしていればいい、という空気が一転し、一人ひとりが主体的に取り組むようになると、大きな成果が出始めた。「僕がやりたいことだけではなくて、仲間のやりたいことも尊重して、実現に向かっていかないと会社が成長しない。ビーボは僕が社長だけど、社員みんなと作っていくものだと痛感したんです」



社員の案で決まったなりたいに本気

そこで武川は、2017年1月に企業理念を改定する際、6名の社員でプロジェクトチームを組み、原案出しを任せた。チームは時間をかけてミーティングを行い、数週間に一回、武川にプレゼンをする。武川が納得できる提案が出てくるまで、何度もそれが繰り返された。「このときもしつこく『なんで?』と聞いたけど、内心では社員がちゃんと理由が言えればそれでいいと思っていて、そのために聞いていたんです」。

4カ月を経てなりたいに本気という言葉を聞いたとき、武川はすぐに「いいね」と答えた。「顧客の目標を達成するために、ビーボは商品やサービスを提供している。いままで何気なく実行していた事業内容、つまり我々のモットーである『カスタマーサクセス』が、初めて言語化されたなと感じたんです。それまでは、言語化されていないことにさえ気がついていなかった。端的に会社のすべてを言い得ていて、すごい理念がでてきたな、と感心しました」。


オフィスの入り口のマットにはビーボの「ミッション」であるBlue Bee Oneのフレーズが刻まれている。目指す場所、向かう意思を丁寧に共有する姿勢が、ビーボの強みへとつながっている。

ビーボはいま、カスタマーサクセスとテクノロジーを掛け合わせた「カスタマテック」という新しい概念を打ち出し、その具現化に取り組んでいる。「現在、弊社には月間20万人くらいの顧客がいますが、すべての人にマンパワーでケアできるわけではない。テクノロジーで解決できる内容と、マンパワーでフォローすべき部分を明確に分けて、顧客に合ったサービスを提供したいと思っています」。
 
17年には子育て支援の情報サイトを開設したほか、既存の顧客基盤をもとに、いまはダイエット・ボディメイクを助けるアプリや、妊活中・妊娠中の顧客をターゲットにしたマタニティアプリを開発中だ。D2C事業にはこだわらない、と武川は言う。「どんな事業を展開しても絶対にブレないのは、お客さんの目的達成に寄り添うこと」。嫌われ者のワンマン社長を社員から親しまれるリーダーへと変えた部下の金言が、いまは企業理念となって浸透している。


「D2C事業でスタートしたがこれからはD2Cのベンチャーという枠から脱却し、カスタマテックを提供する企業へと変わっていきたい」と話す武川。最近では「3年先、あるいは5年先にはD2Cをやっていなくてもいい」と発言し社内を驚かせた。「テクノロジーを駆使して〝なりたいに本気という企業理念を実現する方法は無限にありますから」


たけがわ・かつき◎1984年3月京都府生まれ。大阪経済大学在学中から企業経営に携わる。大学卒業後に東京でウェブマーケティング会社に入社。2010年、株式会社ビーボを創業。D2C事業において月商1億円以上のヒット商品を複数生み出す。通販ブランドの育成、新規立ち上げ、新規事業開発、コンサルティング事業と幅広く注力する。

Promoted by Bbo 文=吉田彩乃 写真=廣瀬順二 編集=青山 鼓

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