元ファーウェイ社員が作った「水中ロケット」の画期的面白さ

「Lefeet S1」で水中を移動する様子

中国のファーウェイに5年間勤務したSean Whangは、スマホ業界から脱出することを決意した。現在39歳のWhangは上海のファーウェイのデザイン部門を離れ、自身のスタートアップを設立した。

彼はスイミングやダイビングの分野に、新たなイノベーションをもたらそうとしている。Whangは手頃な価格で買える、水中で使える面白いガジェットが存在しないことを不思議に思っていたという。

「ジェットスキーは金持ちにしか手が出せないアイテムだ」と話す彼はファーウェイの同僚とともに、水中で使えるセグウェイ的なガジェットを生み出すことを考えた。

年初からプロダクトの設計にとりかかったWhangのチームは、中国特有のスピードで開発を進め、5月には深センでプロトタイプを完成させた。その後の数カ月で微調整を重ね、水中版のセグウェイが完成した。

「Lefeet S1」と名づけられたロケット型のプロダクトは、電動モーターを内蔵しており、片手で持ったり、体にストラップで固定して水中を移動することが可能だ。「アメコミ映画の『ロケッティア』に登場した背負い式のロケット・パックをイメージして欲しい。その水中版的な位置づけのプロダクトを作ったんだ」とWhangは説明した。

Lefeet S1は大人1名を時速約5.6キロで運ぶパワーを持っている。電動スクーターのスピードに比べると遅く感じるかもしれないが、クロールのトップ選手の泳ぐ速度は時速7.2キロ程度とされており、このマシンに人力を加えれば、トップ選手を上回るスピードも夢ではないことになる。



このプロダクトはモジュール式の設計になっており、様々なアタッチメントを取り付けたり、2台を接続して使用することも可能になっている。

Lefeetのチームは深センと台北に拠点を構えており、運営資金はほぼ自己資金で賄ったほか、クラウドファンディングでも資金を調達した。Whangは今後、投資家からの資金調達も視野に入れており、ゴーグルやマスクなどのアクセサリー類の製造も計画中だ。

「水中版のアイアンマンを実現したいんだ」とWhangは話した。

編集=上田裕資

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