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Mercedes-AMG G 63

いまでこそ洗練された都市生活者のイメージが強い「G-Class」だが、その血脈を遡ると、1970年代にNATO軍に制式採用された軍用車「ゲレンデヴァーゲン」まで遡る。戦地での本格的なオフロード走行にも耐えるべくラダーフレーム構造のシャシーを持ち、さらに本拠地シュトゥットガルトで生産されるエンジンを搭載する。

当初、オーストリア・グラーツにあるシュタイア・プフという四輪駆動の名門部品メーカーとの共同開発によって生まれたことからも、その乗用車版たる「G-Class」もまた、いかに本格的なオフロード走行を目して作られたかがわかるだろう。オーナーが望むなら、防弾仕様のアーマードや、小銃を取り付けるための台座もオプションで選べるように設定されている。ローマ法王のために作られた防弾仕様の専用車が「G-Class」をベースにしているのは、あまりにも有名な話だ。

発売から長い年月が経っても、基本的な部分についてはモデルチェンジをせずにいたのも「G-Class」の特徴だ。乗用を意識してバンパーがボディと同じカラーリングとなったり、排ガスや燃費の規制に沿って開発された新型エンジンが搭載されるなどのアップデートを行ってはいるものの、ラダーフレームにトルクフルなエンジンを積むという基本構造は初代からずっと踏襲している。

そんな背景を知ってから、「G-Class」の運転席に座ると、目の前に見える景色もタイムレスな情景へと変わるかのよう。アクセル・ペダルに力を入れると、野太いトルクが湧き上がる。近年、どの自動車メーカーもスポーティネスに舵を切る中、「G-Class」はあくまで過日のメルセデスらしい武骨さを残しており、黙々と路面を蹴る頼もしさを感じる。

本格オフローダーであると同時に、オンロードでの走行性は着実に現代的にアップデートされた。今回、ラダーフレームを新設計してサスペンションを見直し、約170kgの軽量化を果たしたこともあって、新型「G-Class」では都会の日常での乗り心地が向上している。軍用車として開発された「ゲレンデヴァーゲン」の出自を色濃く残しつつも、現代の都会に馴染む稀有な一台だ。



駆動形式:AWD
全長:4873mm
全幅:1984mm
全高:1966mm
最高出力:430kW(585ps)/6000rpm
価格:20,350,000円(車両本体価格・税込み)
問い合わせ:メルセデス・コール 0120-190-610

text by Yumi Kawabata edit by Tsuzumi Aoyama photograph by Tsukuru Asada(secession)

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