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Liang Zou / Shutterstock.com

グーグルが英国のiPhoneユーザーたちから、最大43億ドル(約4860億円)の損害賠償を求められていた裁判で、英国の高等法院は訴えを棄却した。この訴えはグーグルがSafariのプライバシー設定を迂回して個人情報を収集していたことを理由としたものだった。

グーグルは米国でも、ユーザーへの説明に反してSafari にトラッキングクッキーを設定していた件でプライバシー侵害に問われ、2012年に米連邦取引委員会(FTC)に2250万ドルの罰金を支払っていた。

今回提訴した団体「Google You Owe Us」は、グーグルが2011年6月から2012年2月にかけて、400万人以上のiPhone利用者のSafariブラウザからクッキーを不正に取得し、広告に利用していたと主張していた。

裁判に先立って行われた公聴会で原告らは、不正取得されたデータには人種や病歴、政治的主張やセクシャリティ、個人の財務状況や買い物の履歴、位置情報などの個人情報が含まれていたと述べていた。

原告団の代表を務めたのは、かつて消費者グループ「Which?」を率いていたRichard Lloydという人物で、彼が結成した「Google You Owe Us」には2万人が署名を行っていた。

一方でグーグル側の弁護士は、「そのようなデータ流出は起きておらず、影響を受けた利用者の特定は不可能であり、この訴えは無効だ」と述べていた。

高等法院の裁判官、マーク・ウォービーは10月8日、「グーグルが不法行為を行っていることに議論の余地はない。彼らは説明の義務を怠って、Safari からデータを取得していた」と述べた。

しかし、ウォービーはiPhoneユーザーらがデータ収集の結果、不利益を被った証拠はなく、何人の利用者が影響を受けたのかも不明であると述べた。結果的に、彼は原告らの訴えを無効とした。

Lloydは次のようにコメントした。「今回の決定は非常に残念だ。個人情報を不正利用された数百万人もの人々が、何の補償も受けられないまま放置されることになった」

仮にLloydらの主張が受け入れられていれば、大きな前例として残ったはずだ。英国では米国の伝統ともいえる集団訴訟がそれほど一般的ではなく、テック企業大手がデータの不正利用で訴えを起こされたのはこれが初めてだった。

「今回の決定により、英国のユーザーらは法律の保護を受けられずに放置されたままになる。また、大手のテック企業らに対し、今後も無責任なふるまいを許すことになる。今後は政府に対し、消費者が適切な補償を受けられる新たな法の制定を求めていく」とLloydは述べた。

編集=上田裕資

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