投資家らが各国の規制当局や大手金融機関による新たな決断を待ち構えているなか、ビットコインの価格は9月に6200〜6800ドルのレンジで推移した。
そんな中、英国で最も老舗の仮想通貨取引所として知られる「Coinfloor」(2013年設立)が、大規模な人員削減に踏み切ることが明らかになった。この動きはビットコインの相場に影響を与え、英国の仮想通貨業界にとっても打撃となるかもしれない。
CoinfloorのチーフエグゼクティブのObi Nwosuは「Financial News」の取材に「マーケット全体の仮想通貨の取り引きボリュームに、大きな変化が起こっている」と述べた。
「当社は社内の組織再編を進めており、市場での競争優位性を維持し、顧客らにベストなサービスを提供していく。その一環として、社員の配置転換や解雇を行うことを決定した」とNwosuは続けた。
Nwosuによると、Coinfloorは過去12カ月間で約10億ドル相当のビットコインのトレードを行っていたという。同社の出資元にはゴールドマンサックスの元マネージングディレクターでクレディスイスに勤務歴のあるAdam Knightや、国際送金サービス「TransferWise」の創業者のターヴェット・ヒンリクス、ベンチャーキャピタルの「Passion Capital」らがいる。
Financial Newsが関係筋から得た情報によると、Coinfloorは約40名を解雇するという。
ここ数年のビットコインへの関心の高まりにより、各国の仮想通貨取引所は急成長を遂げた。しかし、昨年からのビットコイン相場の乱高下が終わった今、仮想通貨業界はビジネスモデルの見直しに取り掛かろうとしている。
CoinMarketCapのデータによると、世界には現在約200の取引所が存在している。市場が飽和状態に近づくなかで、老舗の取引所であっても利用者の獲得に苦戦している。
今年8月、米国の仮想通貨取引所のコインベースは「昨年は一日に5万名のペースで新規ユーザーを獲得していた」と発表した。しかし、同社は2017年の利用者数の推移や、ビットコインの価格が急落して以降の動向は明らかにしていない。
ビットコインの価格が横ばいで推移した結果、投機的な資金の流入は減少した。これにより、取引所が手にする手数料も昨年と比較すると大幅に減少した。
「仮想通貨市場は成熟化に向かっており、今後もボラティリティの減少は続いていくだろう」とブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、Mike McGloneは述べている。