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フォーブス ジャパン編集部 エディター


──今年の9月、日本経済新聞に掲載された記事によれば、日本の起業家は新規株式公開(IPO)を目指さなくなっているとありました。シリコンバレーではどうですか?

ジェイソン:長期的な対策ができる。これが上場しないことによるメリットです。上場していない会社は2〜3年のことを考えて事業戦略を練り、意思決定を下すことができますが、上場した会社は四半期ごとに事業戦略を考えなければいけない。

そのため2〜3期先のことしか考えられていません。アメリカの株式市場は毎期の結果を批判的に分析する傾向にあるので、創業者やチームは自然と短期的に結果を出す思考になっています。その結果、短期的にパフォーマンスを出せている一方で、長期的なパフォーマンスを得られていません。バランスが大事ということでしょう。

 

非上場会社のときは、数十億ドルの投資を受けたとしても、その結果は一切公開されないので、会社の秘密が守られます。フェイスブックも長期間、株式を公開しませんでしたが、株式を公開した後は財務情報が見れるようになりました。

もしかしたら、テスラは10年先のことを考えたいから株式を非公開化したがっているのかもしれません。しかし、10年は長すぎます。

非公開の期間があまりに長いと、株主が自由に株を買ったり、売ったりできないので、あまり現実的な選択ではないと思います。

一方で、すぐに公開する会社もいます。収支が低いときに株式を公開してもよくないので、1億ドル〜5億ドルの収支に達成したときに株式公開するのがベストでしょう。

サーベイモンキーやドロップボックスも株式を公開したので、アメリカでは上場する流れができていくのではないかと思います。ただ、これは創業者の好みによるので、何とも言えないですね(笑)。

──ありがとうございます。ジェイソンの著書『エンジェル投資家』は人にリスクを負って挑戦することを薦めているように思います。ただ、日本ではリスクを積極的に負う人は少ないです。そんな人たちに対して、何かアドバイスがあれば教えていただけないでしょうか?

ジェイソン:たくさん旅行して、他の文化と接することで、いろんなことを学ぶべきだと思います。

例えば、アメリカは日本からたくさんのことを学べます。それは他者を尊敬することや勤勉さ、義理などです。義理は私にとって大切な思想ですが、アメリカに住む多くの人は義理を知りません。

逆に、日本はアメリカからリスクを負う精神を学べます。もし私に日本人の子どもがいたとしたら、絶対にシリコンバレーへ行かせます。そうすれば、人がリスクを負ってさまざまなことに挑戦することを見て、その精神を得て日本に帰ってくることができるでしょう。

リスクをとることは重要ですが、そればかりを大事にし、義理や勤勉さといった日本人特有の精神を忘れてはいけません。異文化で学ぶことはたくさんあるので、私は日本を訪れるのが大好きです。

 

アメリカはリスクを負って挑戦するからこそ、世界的に優れています。日本もそうです。義理の精神があるからこそ、この小さな島は困難を乗り越えて世界で優れている国になりました。お互いの国の良さを学び合う。これが大切なことです。

写真=小田駿一

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