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I'm a retail junkie who loves to see who is doing what.

Glynsimages2013 / Shutterstock.com

映画「トイストーリー2」のような“続編”が作られることになるのだろうか──。返済不可能なまでに膨れ上がった債務によってトイザらスを経営破綻に追い込み、一方で再建への道筋をつけることはできなかった人たちが、同社の復活を目指す意向であることが分かった。

多数のヘッジファンドを含む主な債権者らが先ごろ、そう遠くない将来におけるトイザらスの再生を目指し、同社が持っていた知的財産権(名称、ロゴ、マスコットキャラクターのジェフリー・ザ・ジラフなど)の確保に向けて動き始めたことを明らかにした。

米国の玩具市場にできた空白は確かに、彼らの“直感”が正しいことを示唆している。大規模な玩具店にはニーズがある。そして、小売大手のウォルマートからターゲット、そしてネット販売のアマゾンまでほぼ全ての小売業者が、トイザらスが遺した110億ドル(約1兆2500億円)規模の市場を手に入れたがっている。

小売大手はすでに、およそ350に上る認知度の高いトイザらスの商品とフランチャイズ権の獲得に向け、積極的に動いている。恐らくこれらの企業が、トイザらスが手掛けていたビジネスのうち、将来有望なものを手に入れるのだろうと考えられていた。年間で最も多額の利益を見込める第4四半期中という最適のタイミングで、店内に商品を並べることもあり得るとみられていたのだ。

だが、一方ではすでに店舗が閉鎖されたトイザらスには、棚を埋め尽くしていた何万点ものその他の商品が残されている。それらは現在、勇気あるネット販売業者に引き渡す以外、どこにも行き場がない状態だ。米国の玩具市場は現在、こうした前例のない状況にある。

現状からみて、トイザらスを復活させることは理にかなっていると言える。資金調達と事業計画が適切に行われれば、大成功を収めることもできるかもしれない。だが、一度は再建を断念した人たちが、本当に復活を実現させることはできるのだろうか。彼らは今度こそ、適切な判断を下すだろうか?

──陰謀論者なら言うまでもなく、これらが全て負債や立地の悪い店舗を一掃し、白紙の状態からやり直すために最初から計画されていたことなのだと考えるだろう。ただ、正直なところ、彼らは確かに巧妙でも、それほど賢いのかどうか分からない。

いずれにしても、彼らはトイザらスを市場に戻すための大掛かりな計画を練っている。オンライン販売の開始だけでなく、実店舗を展開したいというのだ(当然ながら、現時点では詳細はほとんど明らかにされていない)。

クリスマスまでの営業開始はあり得るだろうか?店舗の確保(好条件の店舗はすでに他社が取得)、品揃え(人気商品はすでに取得に関する交渉が開始)、従業員(小売業の労働市場は非常にひっ迫)、といったことを考えれば、その可能性は低い。

トイザらスの復活は早くても、2019年以降になるとみられる。これは、小売業においては「相当先」のことだ。現在からそれまでの間には、多くのことが起こり得る。米国内で販売されているほぼ全ての玩具に、高い関税率が適用される可能性もある。そうなれば、事業開始に向けてのさまざまな計算もやり直さなければならない。

「トイストーリー2」のエンディングでは、主人公のウッディの腕が直り、ほかのおもちゃたちと楽しく暮らしていく未来が予想された。だが、現実の世界はそれほどすてきなものではない。トイザらスの復活は多くの面で素晴らしいことだが、小売業は“子供の遊び”ではない。

編集=木内涼子

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