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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

ティーケーピー代表取締役社長 河野貴輝

19世紀末から第一次世界大戦が勃発するまでの、パリが最も華やかだった時代を「美しき時代」を意味する「ベル・エポック」と呼ぶ。その時代の優雅な雰囲気を備えた白亜の城が、ホテルエルミタージュ モンテカルロ。この「EY World EntrepreneurOf The Year 2018」の最終審査会場である。

今年の審査員団を構成するのは、米ニクソン・エナジー・インベストメントCEOのジム・ニクソン審査委員長をはじめ、かつて各国代表として舞台に立った5人の起業家。豪華なしつらえの面談会場は、円形にソファが並べられ、談話を楽しむかのようなリラックスした雰囲気が演出されている。

前夜遅くまでプレゼンの中身を考査しては書き直していたという、日本代表のティーケーピー代表取締役社長・河野貴輝の最終面談は午前9時40分からだ。面談時間は30分間。4分のエレベーターピッチの後、26分の質疑応答で構成される。

この面接によって、46の国と地域から集まった56人の頂点が選ばれる。河野の出陣を待つスタッフの中に張り詰めた空気が漂う中、河野は皆に笑顔を見せ、最終審査会場に颯爽と消えていった──。

その面談から半年前の2017年11月に遡る。全国から100社以上の起業家が応募した日本大会では、各地での選考会を経て、本多プラスの本多孝充や、マネーフォワードの辻庸介を含む、計17人のファイナリストが選出され、プレゼンを含む厳正な審査の結果、河野が日本代表として選ばれた。成長性や起業家精神、グローバルへ挑戦する姿勢が評価された。

その晩、審査員やファイナリストを交えての食事会が開かれた。その席で、昨年度の日本代表、エアウィーヴの高岡本州会長が食事も早々に切り上げ、河野の横に陣取った。告げられたのは、世界の舞台に立ったものにしかわからない、モナコを制すための直々のアドバイスだった。

「世界の審査の場では、ビジネスの結果ではなくプロセスが重要。それをいかにストーリーとして伝えるか。ビジネスモデルや規模、経営戦略なんてどうでもいい。どんな気骨を持って、社会に貢献したいのか、その使命感が問われる。『WE』で語るな、『I』で語れ。なぜなら、審査員は他でもない、あなた自身の情熱が知りたいんだ」。

文=Forbes JAPAN編集部

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