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I teach the science of attracting high-paying clients.

イーロン・マスク(Photo by Mark Brake / Getty Images)

ソートリーダー(思想的指導者)として顧客や投資家を引きつけたい人は、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のように大胆で挑発的な存在になるべきだ。ただし、マスクのように、行き過ぎた言動によって悲劇的な過ちを犯してはならない。

マスクは、テスラ株式を非公開化する計画があるという虚偽の発表を行って証券詐欺を犯したとして、米国証券取引委員会(SEC)により訴えられた。両者は和解に至り、マスクがCEO職にとどまる一方で巨額の罰金を支払うことで合意した。これは、全てのソートリーダーに対する教訓だ。

ジャーナリストの私からしてみれば、マスクは非常に素晴らしいインタビュー相手だ。彼は数年前、私が企画した会議で講演し、私は彼について雑誌記事を書いた。

マスクは商売に関して言えば非常に模範的な存在だと言える。カリスマ性があり、電気自動車や宇宙開拓、火星の植民地化という大きな夢を描き、引用したくなる発言を残す。ソートリーダーにとっては良い見本だ。

テスラ株を1株420ドルで買い取り非公開化する資金を確保したというマスクのツイートについて、SECが偽りの情報だったとしてマスクを提訴したというニュースを読んだとき、私は悲しくなった。このツイートは、テスラ株に非常に大きなプレミアムがついていることを示すものだった。

これは胆力の据わったCEOによるセールストークなのか、それとも株価操作なのか──。これは誰もが注意すべきことだ。

公開株について書いたり話したりする場合には、ルールを理解する必要がある。私はかつて、顧客にとって良いニュースを伝えるプレスリリースを書いた社員が、発表の前日に株を買ったため、その社員を解雇しなければならなかったことがあった。彼からは後日、仕事の推薦人になってほしいと頼まれた。何とも非現実的な要求だ。これも一つの教訓話となっている。

私はストーリーテリングに情熱を燃やしている。文学では、教訓話は何らかの危険を警告するためのものだ。教訓話には3つの要素があるとも言われる。それはタブーと危険な振る舞い、そして警告を無視する人だ。最後にはもちろん、不幸な結末が訪れる。オセロやマクベス、ゴッドファーザーのような悲劇はいずれも教訓話の一つだ。より最近の例を挙げると、米ドラマ「ブレイキング・バッド」も同じだろう。

編集=遠藤宗生

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