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米カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事(Photo by Alex Wong/Getty Images)

米カリフォルニア州で今週、州内に本社を置く株式公開企業に対し、2019年末までに役員会に女性を少なくとも1人登用することを義務化する法律が成立した。ジェリー・ブラウン州知事は法案署名に際し、「企業の役員会は、米国人口の半分以上を構成する人たちを含めるべきだ」と述べている。

企業の特定のポジションに女性を採用することを義務化することの法律上の妥当性を疑問視する声は多い。だが、これがたとえ法的に妥当なものであったとしても、果たして職場での平等促進効果はあるのだろうか?

新法の下ではさらに、企業は2021年7月末までに、5人で構成される役員会では少なくとも2人の女性、6人以上の役員会には3人以上の女性を採用するよう求められている。順守できない企業には、多額の罰金が科される。同州を拠点とする企業のうち、推定377社が新法遵守のため何らかの対応が必要になる見通しだ。

新法のメリット

性別クオータ(割当制)の賛成派は、この制度により少なくとも企業に対して女性役員を増やす強制力が働き、カリフォルニア州は性の平等を推進しているという強いメッセージを送ることができると主張。さらには、経営陣に女性が存在することで、上級職に就く女性が増え、多様性への注力が増し、男女平等が推進されることも期待している。

支持派はまた、この法律により企業の利益も増えると期待している。同法の共同立案者であるハンナベス・ジャクソン州上院議員は「私たちは今後、お願いはしない。良い人でいること、礼儀正しくいることには飽き飽きした。私たちがこの法律を必要としているのは、経済に恩恵があるからだ。すべての企業に恩恵がある」と述べた。

新法のデメリット

性別クオータ反対派は、これにより経験不足の女性の登用が促されてしまうと主張している。また、新女性役員が高い資質を備えていたとしても、割当制のおかげで選任されたと思われ、周囲から役不足と認識される可能性もある。

過去の研究結果からは、優先制度により採用された人は自信を失う可能性があることが分かっている。さらに、周囲の人々が、女性昇進の取り組みが原因で自分の機会が減っていると感じるようになれば、女性への反感も生まれるかもしれない。

性別クオータは侮辱的だと感じる人もいる。オレンジカウンティー・ビジネス・カウンシル(Orange County Business Council)のルーシー・ダン社長兼最高経営責任者(CEO)は、法案の議会通過を受け出した声明で「この法律は私にとっては侮辱的だ」と述べた。「会社の指導者層に女性がもたらす競争上の利点をたたえるどころか、女性はただの穴埋めとしての地位におとしめられてしまう」

編集=遠藤宗生

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