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科学と医薬を担当。21世紀は生物学の世紀であると信じている

vchal / shutterstock

米マサチューセッツ州ケンブリッジに本拠を置くバイオテクノロジー企業「KSQ Therapeutics」は、遺伝子工学技術CRISPR(クリスパー)を用い新薬を開発している。同社は先日8000万ドル(約91億円)の資金調達を実施した。これはKSQにとって過去2番目の資金調達額となった。KSQは昨年10月にも7600万ドルを調達していた。

遺伝子工学の分野では、「Editas」や「Intellia」などの企業がCRISPRを用いたゲノム(DNA)編集により病気治療を行おうとしている。しかし、KSQはゲノム編集によって新薬の創薬に役立つプロテインを見つけ出そうとしている。

KSQのチーフエグゼクティブのDavid Meekeは、長期的視野で新薬の発見を行おうとしている。研究室でテストされた100の新薬のうち、市場に出回るのはわずか2つだ。臨床試験が行われた10の薬のうち、患者が実際に服用するのは1つ程度だ。「KSQが手がけるがん免疫学の分野は、奇跡的確立を追い求めるものだ」とMeekeは話す。

KSQは3つのエリアにまたがる12種類の医薬品の研究にあたっている。ゲノム編集を行った白血球細胞によりがんを治療する「T細胞療法 (adoptive T cell therapy)」、免疫反応を促す薬品を免疫システムに送り込み、がんと戦わせる「がん免疫治療法(immuno-oncology)、がん細胞の遺伝子の特徴を利用した「標的療法(targeted therapies)」の3分野だ。

KSQのT細胞療法プログラムは2019年の臨床試験実施を見据えており、その翌年にはデータが公開される。Meekerはこのプログラムから大きな成果が得られると期待を注いでいる。もう一つ、彼が期待を寄せるのが、CRISPRのスクリーニング技術を用いて生成する抗がん薬のターゲットだという。

KSQは2015年にTimothy Wang らによって共同創業された。Wang は2017年のフォーブスの「30アンダー30」のヘルスケア部門に選出されていた。

編集=上田裕資

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