・起業
イノベーションは若者だけのためのものではない。かつては中年、またはそれ以上の年代と考えられていた人生の時期は現在、ビジネスを始める上での適切なタイミングになっている。
米国、英国、そしてその他の各国で、50代での起業が増加している。例えば、起業家を支援・育成する米カウフマン財団によれば、一般的なイメージではハイテク企業を立ち上げるのはスニーカーを履いた20代の若者だが、50歳以上でそうした企業を立ち上げる人は、20代の2倍近くに上る。
・ロマンスの“第2章”
50歳以上の人たちは、その他の年齢層と比べて離婚率が高い。だが、安心していい。離婚を経験しても、多くの人たちはまだ人生は終わりだとは思っていない。彼らは再び、出会いの場を求め始める。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、出会い系サイトを利用する50歳以上の人の割合は、2013~15年の間に倍増した。50歳を過ぎて離婚した人のうち、67%は再婚している。
現在の50歳を「新たな30歳」と言ってしまうのは簡単(そして月並み)だ。それに、その言い方では重要な点が見落とされてしまう。 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の高齢化研究所(AgeLab、エイジラボ)を率いる筆者が現在の50歳をどう考えるかといえば──「新しい50歳」だ。
私たちの大半は、ヘリコプターをチャーターしてグランドキャニオンの上空からバンジージャンプをすることはない。だが、多くはこれまでに書かれたことがない高齢の大人としての新たな物語をつづり、それに伴うより大きな、そしてより長期的なリスクを負っていくことになる。