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「シャドー・コンタクト」を用いた広告配信

フェイスブックは暗号化を維持するとしているが、同社は過去にも公に約束した方針を守らなかったことがあり、今回もいつ姿勢を変えるかわからない。アクトンによると、2014年にフェイスブックの幹部らは、欧州の規制当局に対し「ワッツアップユーザーのアカウントとフェイスブックをリンクさせない」と彼に答弁させたが、その後、フェイスブック社内で両サービスのデータを統合する準備を進めていることを知ったという。

フェイスブックは最近、ギズモードのジャーナリストであるKashmir Hillに対して、利用者がフェイスブックに登録した以外の個人情報を、広告のターゲット配信に用いることはないと述べた。しかし、Hillがフェイスブックには登録されていない電話番号をターゲットに広告を配信したところ、その電話番号を持つフェイスブックユーザーに広告が表示されたという。Hillはここでは「シャドー・コンタクトインフォメーション」と呼ばれる情報が、広告配信に活用されたと述べている。

Hillによると、フェイスブックは利用者が二段階認証のためにフェイスブックに提供した電話番号もターゲティング広告に使用しているという。さらに、別の利用者がアドレス帳に登録した電話番号を、その持ち主と紐づける行為も行われているという。

FB幹部は「暗号化」を憎んでいる?

ここで懸念されるのは、フェイスブック社内で暗号化を擁護する幹部が1年前に比べて減っていることだ。アクトン以外にも、ワッツアップのもう1人の共同創業者であるジャン・コウム(Jan Koum)が2018年4月に退任しており、CSOだったステイモスもロシアがフェイスブックユーザー1億2600万人に偽情報を流したとされる問題で経営陣と対立し、8月に退任している。

ステイモスは、ワッツアップが収益化を図ることについては賛同している。彼はツイッターに次のように投稿している。

「ワッツアップには、エンド・ツー・エンド暗号化と収益化が両立可能であることを示してほしい」

彼によると、将来的にワッツアップが広告やサードパーティのサービスで収益を上げることは可能だという。しかし、収益化の妨げとなるのが、メッセージが暗号化されていることだという。

編集=上田裕資

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