ビジネス

2018.10.05

ドラッカー・スクールで学んだ「決断」の準備

Pressmaster / Shutterstock.com


ワクワクする決断かどうか

身体感覚や感情に気づくことができたら、それらが思考にどのような影響を与えているか、繋がりを見つける作業を行うと良い。自分自身では気づいていない(または無視している)かもしれないが、感情や身体感覚は、想像以上に思考へ影響を与えている。不安や苛立ちがある中で思考がポジティブになるわけがなく、むしろ思考はいつの間にかネガティブな方向に働くのだ。

ネガティブな状態に陥る時、「ポジティブに考えないといけない」「元気な自分でいないといけない」と思考する人も多いだろう。しかし、思考を強制的にポジティブにしようとすると、自分自身のバランスを壊してしまうから要注意である。

大切なのは、心身ともにリラックスした状態を作り、自分の感情に気づき続ける練習を重ねる中で、身体感覚や感情が自分の思考へどのように影響しているのかを自覚すること。身体感覚・感情・思考のバランスが良い時の決断と、うまくバランスできていない時の決断の違いを、自分自身で体験することが重要だ。

最後に、改めて自分(または自分の身体)が求めているものが何か問いかけてみるようにする。その決断によって心がワクワクするか、本当に正しい決断だと感じているか、身体がこわばったり緊張したりせずに、リラックスした状態で「本当にやりたいこと」がイメージできるか…上記3つのプロセスを続ける中で、多忙の中では見えてこないような、そんな感覚がわかるようになってくる。思考だけに頼らず、感情や身体感覚も含めて自分自身に問いかけ続けることで、日々の小さな変化にも敏感になり、毎日がより充実することにつながっていく。

これらはあくまで、私自身がドラッカー・スクールやセルフマネジメントのクラスを受け続ける中で学び、実践したやり方をご紹介している。人によって、または状況によって当てはまらないこともあるとは思うが、数あるメソッドの中のひとつとして参考にして頂きたい。

連載:組織マネジメント以前に大切なこと
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文=稲墻 聡一郎

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