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これはマスクが常々認めていることだが、スペースXのロケット「ファルコン9」の名前は、映画『スター・ウォーズ』シリーズのミレニアム・ファルコン号にちなんでいる。また、再利用ロケット回収用の無人船「Just Read the Instructions(ただ説明書を読め)」と「Of Course I Still Love You(もちろん今も愛しているよ)」は、SF作家イアン・バンクスの作品から着想を得たものだ。

さらに、テスラ社の電気自動車「ロードスター」をデヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」をBGMに火星軌道に打ち上げるアイデアは、従来のように新型ロケットにコンクリートブロックを搭載し重量シミュレーションを行う方法が「ものすごく退屈だと思った」ことから生まれたのだという。

マスクは、人々の想像力をかき立てる方法を理解しているのだ。コスト削減や技術進歩についての情報発信は必要である一方で、畏敬の念や好奇心、崇拝の気持ちといった感情は呼び起こさないことを、彼は理解している。

アポロ8号の乗組員が、月を周回しながら聖書の創世記を世界に向けて朗読してから50年。また、科学者チームが人類の音楽や文化を収めた金のレコード盤を宇宙に打ち上げてから41年が経った。これには科学的な必要性があったのだろうか? いや、全くない。だがこれにより、世界の誰もがこのミッションに関わり、探査チームと共に未知の世界へと飛び立つことができたのだ。

米国が宇宙開発プログラムを開始した1960年代初頭当時、マーキュリー計画の宇宙船は、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士を安全に軌道に送り届けるよう設計されていた。宇宙船の初期モデルには、構造を強めるため、窓がなかった。

飛行士らは、宇宙から地球を見て記録することができないとして、この設計に反対。最終的に、設計チームはこの要求を受け入れた。そして、以降に宇宙を旅した飛行士たちは、アート教育を受けていないにもかかわらず、宇宙体験の素晴らしさを詩的に表現している。

アポロ14号の月着陸船パイロット、エドガー・ミッチェルはこう回想する。

「突然、月の端の後ろから、測り知れない荘厳さを持った長いスローモーションの中、きらめく青と白の宝石、白く渦巻くベールに縁どられた繊細なスカイブルーの球体が現れ、漆黒の神秘の濃い海の中の小さな真珠のように、ゆっくりと昇っていった。それが地球……故郷だと完全に気づくのに、一瞬以上の時間がかかった」

宇宙旅行の費用が下がるにつれ、科学者ではない人々が、かつてほんの一握りの人々しか体験できなかった特等席から星や月、そして私たちの世界を見つめる機会が増えるだろう。乗組員にアーティストを含めることで、マスクと前澤は、全ての創造物を人類と共有する旅路の初めの一歩を踏み出したのだ。

編集=遠藤宗生

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