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2018.10.06 12:00

「平和の香水」で紛争地帯を支援 カナダ人女性起業家の挑戦

カナダの化粧品・香水企業のセブン・バーチューズ創業者、バーバラ・スタグマン(Andrew Francis Wallace / Toronto Star via Getty Images)

カナダの化粧品・香水企業のセブン・バーチューズ創業者、バーバラ・スタグマン(Andrew Francis Wallace / Toronto Star via Getty Images)

あなたも化粧品店で買い物をするだけで、社会的影響を生み、アフガニスタンのアヘンまん延の流れを変えることができるかもしれない──。
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カナダの化粧品・香水企業、セブン・バーチューズ(The 7 Virtues)の創業者、バーバラ・スタグマン(49)は、アフガニスタンから調達したオレンジブロッサム油とローズ油から作った香水を手に、革命的取り組みを主導している。同社はただの化粧品・香水ブランドではなく、ビジネスを使って紛争地帯で平和と商業活動を実現する運動だ。同社が製造する“ピース・パフューム(平和の香水)”は先日、化粧品専門店セフォラ(Sephora)が米国内に展開する店舗の一部とオンラインショッピングサイトで販売が開始された。

カナダ・ノバスコシア州出身のPRコンサルタントだったスタグマンは、10年ほど前に同社を設立した際、香水に関する知識はほとんどなかったという。起業の動機は、アフガニスタンで従軍中に大けがをした親友、トレバー・グリーンのビジョンを絶やさないことだった。米セフォラ店舗での自社商品発売を前に、カナダの自宅からインタビューに応じたスタグマンは、「より良いアフガニスタンの姿、(アヘンの原料となる)ケシ畑以外にも機会があるこの国の姿を夢見た彼のビジョンを残すため、何かをしなければならなかった」と答えている。

ケシはアフガニスタンで深刻な問題となっている。栽培面積は近年増加を続け、同国は世界最大のアヘン製造国となった。理由の大部分は、アヘンに需要があること、そして農家がケシ栽培から大きな利益を得られることにある。小麦などの主要作物を育てても利幅は大きくならないため、農家はより利益の高いケシを生産している。
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「しかしケシの生産は、暴力やトラブル、紛争を生む」とスタグマン。「農業従事者に必要なのは、より現実的な代替収入源。そうした作物の市場を作らなければならない」。そうした作物とは、バラやオレンジブロッサムなどの農産物だ。この2作物は同社が作る香水の主原料となっている。

スタグマンは、暴力と紛争の真っただ中で地元の農家から集めた植物を蒸留していたアフガニスタン人起業家と出会った。「彼は、自分の工場が襲撃を受けていたものの、建物のことは心配していなかった。地元農家を支援し、異なる経済を作れるように工場を再建したいと思っていた」

同社が初めての起業で、経験やノウハウもほとんど持ち合わせていなかったスタグマンだったが、意を決してこの起業家からローズ油のボトル1本5000ドル(約55万円)を購入。商品がカナダに到着後、8週間のうちに3万ドル(約330万円)相当の商品を販売した。その後間もなく、日本の人気テレビ番組「マネーの虎」の英国版である「ドラゴンズ・デン」に登場し、複数のオファーを獲得した。
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編集=遠藤宗生

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