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2018.10.04 08:30

投資すべきでない企業を見分ける3つのポイント

投資家のウォーレン・バフェット(Photo by J. Countess/Getty Images)

米著名投資家ウォーレン・バフェットは株式ではなく、ビジネスに投資する。そして、自分が理解できるビジネスだけに投資する。投資対象についてはその競争上の優位性と、5~10年後までにどれだけの価値の増加が見込めるかを確認する。

投資会社を経営する筆者はよく、投資する価値がある企業かどうかをどのように判断するのかという質問を受ける。私が避けるべき企業の判断基準としているのは、以下の3つの点だ。

1. 経営トップの判断力に疑問がある

企業トップと話をするとき、私は掘り下げた質問をし、彼らが自社のビジネスと業界、より幅広い経済について深く理解しているかどうかを探ろうとする。最高経営責任者(CEO)やその他の幹部がこれら3つの点についてしっかりと理解できていない企業なら、ほかの投資たちに誠意をもって出資を勧めることができない。

2. 成長戦略に問題がある

どのビジネスも、成長しなくてはならない。長期的にみれば、世界で最も成功しているのは革新を続けることができ、成長を継続させることができている企業だ。投資する価値がある企業かどうか見極めるための2つ目のポイントは、リーダーが自社のビジネスをいかにスケールさせ、成長させるかを理解しているかどうかだ。

現在の世界では、何をすべきかが分かっているだけでは不十分だ。どのように実現するか(実行のための適切な方法)を理解していなくてはならない。何より重要なのは、経営トップが業務を遂行し、自社を成長させる方法をさまざまなレベルで理解しているということだ。

米国内のさまざまなビジネスに出資しているフィンテック企業、ファンドカイトの最高技術責任者(CTO)はこの点について、次のように述べている。

「アルゴリズムや売上高の推移などだけで、企業への投資に関する判断は下せない。書類上は素晴らしく見える企業でも、内部が崩壊している場合もある。経営者がどのような人たちであるか、携わる業界全体がどのような状況であるかについての調査が非常に重要なのは、そのためだ」

「投資はある意味、買い手と売り手によって成り立つ市場だ。市場が強気でも弱気でも、投資を回収できなくなる危険性があるかどうかを示す指標には、常に注意を向けておく必要がある」

3. 企業文化の質が悪い

3つ目の基準は、企業文化だ。従業員たちは楽しそうに仕事をしているだろうか。嘆かわしい表情や、無関心な態度を見せていないだろうか。また、従業員には適切な待遇が提供されているだろうか? 実質的な賃金などについて話しているのではない。企業の文化は、働く人たちの感情的、精神的、身体的ニーズへの対応も含むものだ。

たとえ数字から判断する限りは納得のいく投資先のように思えても、企業文化に幻滅を感じるようであれば、別の投資対象を探すことにする。長期的にみれば、高い投資利益率を実現するのは、健全な企業文化だからだ。

ここに紹介したのは、筆者が新たに企業に投資する際に確認していることの一部だ。世界はチャンスにあふれている。重要なのは、それらを見つけられるかどうかだ。ハードルを高く設定すれば大抵の場合、得られる利益も多くなる。

編集=木内涼子

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