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2018.10.03 07:00

スタートアップの資金調達に有利な米国の都市圏トップ10

オハイオ州の旗(aceshot1 / Shutterstock.com)

米国のベンチャーキャピタル(VC)の投資先は、主にカリフォルニアとニューヨーク、マサチューセッツに拠点を置く企業に集中している(特にシリコンバレー、ニューヨーク、ボストン)。

全米ベンチャーキャピタル協会によれば、投資総額に占めるこれらの地域への投資額の割合は、昨年は76%だった。2012年の72%、10年前の64%からさらに増加している。

一方、アップル、グーグル、フェイスブックといったシリコンバレーの企業が生み出した富は、同地域のさまざまなものを値上がりさせてきた。

ムーディーズ・アナリティックスによれば、サンフランシスコの住宅価格の中央値は110万ドル(1億2530万ドル)。シリコンバレーの中心地であるサンノゼでは同140万ドルだ。ビジネスコストはミズーリ州セントルイスより57%、ジョージア州アトランタより54%高い。

こうしたことから、投資家の中には別の地域に目を向ける人たちもいる。その1人が、インターネットサービス大手、アメリカ・オンライン(AOL)の共同創業者であり、投資会社レボリューションの共同創業者でもある富豪のスティーブ・ケースだ。

ケースは昨年、十分な資金調達が難しい地域のスタートアップを支援するため、「ライズ・オブ・ザ・レスト・シード・ファンド(ROTR Seed Fund)」を立ち上げた。このファンドに出資するのは、米国で最も大きな成功を収めた富豪たちだ(ジェフ・ベゾス、サラ・ブレイクリー、ダン・ギルバート、ヘンリー・クラヴィス、エリック・シュミット、ハワード・シュルツ、メグ・ホイットマンなど)。

ケースはこのファンドについて、「目的は公平な機会を提供し、全ての場所にいる全てのアイデアを持つ人が起業し、アメリカンドリームを実現できるようにすることだ」と語る。

シリコンバレーには資本が集中しすぎ、企業の評価額も高くなりすぎている可能性がある一方、セントルイスやコロンバスには、投資資金が不足しているという。
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編集=木内涼子

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