ビジネス

2018.10.05

紫外線で浮遊菌と戦う「空気の番人」


客観的なデータを蓄積し「空気のミシュラン」の指標を目指す

常識を覆すには客観的なデータが必要だ。そのため同社は400施設で空気採取をし、人の動きやエアコンのオンオフ時、室内の人数などによる浮遊菌の変化を計測してデータを蓄積してきた。

「これを新たな『空気環境の指標づくり』に役立てたい。例えば、小児科に子どもを連れていく際、浮遊菌はより少ないほうが親は安心できます。ミシュランのように『空気のきれい度』を星で評価する指標にしたら、わかりやすいと思うんです」
 
すでに第三者研究機関の実証試験において、エアロシールドは「7時間の稼働で浮遊菌の約9割を殺菌。出力口付近では、細菌やウイルスは10秒、カビは5分で死滅する」とのデータを得ている。
 
これまでの導入実績は、大学病院、産婦人科、小児科、歯科医院、介護施設、こども園、コールセンター、社員食堂、菓子工場などを中心に2000台超。導入した施設からは「インフルエンザ感染者ゼロが3年続いている」など、喜びの声が届く。

「提案先様に『どうせ空気は見えないから、見せかけでいいんだよ』と言われたこともあります。でも、自分の大切な人が入居した施設がそんな施設だったら、とても嫌な気分になりますよね?」
 
空気環境を選ぶことが「常識」になれば、市場規模は爆発的に拡大する。私たちは今、新たな常識のはじまりを見ているのかもしれない。

文=畠山理仁 写真=佐々木信行

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変える「30歳未満30人の日本人」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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