ビジネス

2018.10.03

優れた経営者が実践する「パフォーマンス最大化」のための原理原則

ジャパネットたかた創業者 髙田明(Photo by Kiyoshi Ota - JL/Getty Images for DAZN)

私には、尊敬する経営者たちがたくさんいる。これまでさまざまなことを教えていただき、多くのことを学ばせていただいてきた。そんな彼らに共通するのは、人や組織のパフォーマンスを最大に引き出す能力である。

今回は、特にお付き合いの深い3人の経営者を紹介したい。1人目はザ・リッツカールトン・ホテル・カンパニーの元日本支社長で、現在は人とホスピタリティ研究所代表をされている高野登さん。2人目はジャパネットたかた創業者で現在は株式会社A and Live 代表取締役の髙田明さん。そして3人目は、全日本空輸株式会社(ANA)の元代表取締役社長で、現在はANAホールディングス相談役の大橋洋治さんだ。

髙田さんと大橋さんは、今年の8月2日、経済広報センターが表彰する「第34回企業広報賞」に選出されている。

この3人に共通するのは、パフォーマンスを最大化するためのパフォーマンスの原理原則を熟知し、実践に移し、しっかりと結果を出してきたことである。パフォーマンスの原理原則とは「何を x どんな心でやるか」という構造。この掛け合わせにより成果が導き出されると私は考えている。

「何を」は行動の内容、すなわち経営戦略である。すべてのパフォーマンスは、個であろうが組織であろうが、そこには人が介在するため心の状態が存在する。その心の状態がフロー状態であるか、あるいは機嫌よくあるかどうか、この2つの視点から経営というものを捉えていらっしゃるのが、この3人の特徴だ。

時代背景を確実かつ的確に読み、戦略を明らかにし、するべきことをはっきりさせていく力、すなわち、常に「Do It」を明確に提示して、目標に導いている。さらに、彼らは「どんな心」で仕事をしていくべきなのかを考え、それを重んじている点も共通している。

私が主催する「スポーツ文化フォーラム」にこの3名に登壇いただいた際、とても印象的なお話をされたのでここで紹介したい。

まず、ザ・リッツカールトン・ホテル・カンパニー元日本支社長の高野登さん。高野さんは、組織としてもリーダーとしても目に見えないものを大事にする意識が大事で、それができてない組織や人は、その見えない財産を無駄遣いしてしまっている」というお話をされた。

目に見えないものを財産と考え、それを育んでいくことが、高野さんが考えている「経営」である。まさに「何をするか」ではなく「どんな心でするか」という点を大切にしていらっしゃると改めて感じたのだった。
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文=辻秀一

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