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2018.10.01 12:00

NIOに続く「中国EVメーカー」4社、代表車種のスペックと価格

NIOのEV車両「ES8」(courtesy of NIO)

NIOのEV車両「ES8」(courtesy of NIO)

「中国版テスラ」と呼ばれる中国のEV(電気自動車)メーカー「NIO」が9月12日、ニューヨーク証券取引所に上場した。NIOのEV車両「ES8」は既に1万7000台の予約注文を受けているが、これまでの納車台数は2000台以下だという。

業界関係者の間では早くも、NIOに続く中国のEVメーカーを探す動きがはじまっている。関係筋によると中国では487社ものEVメーカーがあるというが、そのなかで有望なのは50以下だとみられている。

また、NIOの投資部門である「NIO Capital」のIan Zhuは「この業界での生存率はわずか1%だ」と述べている。彼の見立てが正しいならば、中国のEVメーカーで今後生き残るはわずか数社ということになる。

ここではNIOに次ぐポテンシャルを秘めた4社を紹介してみたい。

Byton(バイトン)

バイトンは今年の家電見本市CESで、コンセプトカー「M-Byte」を披露した。M-Byteの売りは50インチのタッチスクリーンを備えた「デジタルラウンジ」と呼ばれる、豪華な室内だ。デザインとコネクティビティを押し出すバイトンは、BMW出身のメンバーらが創業。出資元には南京市やFAWグループ、バッテリーメーカーの「CATL」らも参加している。

M-Byte の価格は4万5000ドルから。納車は中国で2019年後半、米国と欧州では2020年の後半となっている。

Xpeng(シャオペン、小鵬汽車)

今年のCESで披露したコンパクトSUV「G3」で注目を集めたシャオペンは、テスラの影響を受けたことを公言しており、Gはギークの頭文字に由来するという。G3のフロントグリルはサメの顔に似せてあり、外観は宇宙船のようだ。同社は今年4月からG3の予約注文をとり始め、年内に1000台を納車する予定だったが、2019年中旬に延期された。

出資元はアリババやフォックスコンなど。販売価格は3万8000ドルから(米国での販売計画はない)。

Lucid(ルシッド)

ファラデーフューチャーと同様にカリフォルニア州に本拠を置いているが、中国資本によって設立されたのがLucidだ。昨年のロサンゼルスモーターショーで「Lucid Air」を披露した。同社にはサウジアラビアの政府系ファンドPIFが、10億ドル以上を出資すると報じられた。

LucidはBytonやXpengとは異なり、パフォーマンスを最重要視しており、停止状態から時速60マイル(およそ時速100キロ)到達までの時間は2.5秒。最高スピードは時速320キロ。一充電で最大640キロを走行可能という。アリゾナ州の工場で製造され、2020年後半からの納車を目指している。

共同創業者らは元テスラの上級幹部。Lucid Airの販売価格は6万ドルから。プレミアム版は16万5000ドルから。

ファラデーフューチャー

コンセプトカー「FF91」は全ての観点でベストなEVになることを目指している。「ウルトラ・ラグジュアリー・インテリジェントEV」を目指すこの車両は、時速60マイル到達までの時間が2.39秒。1050馬力を誇り、1充電で480キロを走行可能という。ファラデーに関しては何度も倒産危機のニュースが流れたが、創業者のJia Yueting(賈躍亭)が2017年に新規の資金調達を行った。

FF91の販売価格は18万ドルから。かつてピレリの生産拠点だったカリフォルニア州の工場で製造を進めており、2019年中盤の正式立ち上げを目指している。

編集=上田裕資

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