ビジネス

2018.09.30 10:00

アリババvsアマゾンの「未来型店舗」競争に浮かぶ逆転の構図

アマゾン・ゴー(Stephen Brashear / Getty Images)

アマゾン・ゴー(Stephen Brashear / Getty Images)

米国ではアマゾンの、レジなしのコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」が話題だ。しかし、アマゾンのサービスは中国のEコマースの巨人、アリババが見据える小売業の未来と比較すると、一歩も二歩も遅れているのが実情だ。

アリババは約2年前から同社の未来型店舗「盒馬(Hema)」のテストを行っており、既に中国で約60店舗を展開中だ。アマゾン・ゴーの店舗は現在、シアトルやシカゴ、サンフランシスコにあり、ニューヨークでも近日オープン予定という。

しかし、アマゾンが2021年までに3000軒のアマゾン・ゴーの出店を目標とする一方で、アリババは2018年内に100店舗の開店というリアルなゴールを掲げている。

アリババが中国で展開する盒馬と比べると、アマゾン・ゴーの「レジなしで、行列もなし」というコンセプトはもはや時代遅れなのかもしれない。アリババの盒馬は買い物と食事と、食品デリバリーを一体化させた洗練されたサービスを展開する。

盒馬の店舗ではデジタルスクリーンに商品情報が表示され、個々のアイテムにはEインクの値札がついている。支払いは顔認証でカメラに顔を向けるとアリペイのアプリが起動する仕組みだ。

また、店舗から3キロ以内に住む顧客には30分以内の配送サービスもある。店内のシーフードや生鮮食品をその場で調理してもらい、店舗内で食事を楽しむことも可能だ。

中国のインターネット企業は、数年前には欧米のビジネスモデルを真似するだけだったが、今ではその先を行くイノベーションの逆転現象が起きている。

編集=上田裕資

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