iPhone XSとXS Maxは「充電が遅すぎ」の声、アンドロイドの約2倍

左=iPhone XS 右=iPhone XS Max (Photo by Justin Sullivan / Getty Images)

先日から発売中のiPhone XSとiPhone XS Maxについて、またもや気になる情報が浮上した。大手経済メディア「CNBC」にこれらの2端末の充電スピードが「とんでもなく遅い(insanely slow)」とする記事が掲載された。

同様な指摘はガジェット系メディア「PhoneArena」からもあがっている。PhoneArenaの計測によると、付属充電器を用いた場合のiPhone XSのフル充電に必要な時間は3時間5分。さらに、iPhone XS Maxの場合は3時間29分と、一日の勤務時間の半分にも及ぶ長さだ(参考までにGalaxy S9は1時間47分、Galaxy Note9は1時間49分)。

「アンドロイド端末の大半は、無料で急速充電器がついてくる。しかし、アップルの場合は急速充電をしたければ、68ドルも余分な費用をかけなければならない。アップルのやっていることは犯罪スレスレだ」とPhoneArenaのDaniel Petrov記者はかなり手厳しい。

しかし、彼の発言はもっともだ。アップルの端末で急速充電をしたい場合、USB-Cの急速充電アダプタを49ドルで、USB-Cのケーブルを19ドルで買う必要がある。また、仮に68ドルの追加コストをかけて急速充電を行ったとしても、先日のTom’s Guideの計測によってXSやXS Maxのバッテリー持続時間は「昨年のX以下」であることが分かっている。

CNBCのTodd Haselton記者も同様な意見だ。

「たいていのアンドロイド端末は、シャワーを浴びている間に数時間分の充電が行える。しかし、iPhone XSやXS Maxの場合は付属の充電器では同様な体験ができず、急速充電を行う場合はiPadに付属してくるようなサイズの大きな充電器を用いる必要があるのだ」

アップルはHaselton記者に対し「顧客たちの多くは、サイズの大きな充電器よりもコンパクトなものを求めている。どこでも持ち運べるほうがいいからだ」と述べたというが、この言い訳は、かなりまずい。

さらにいうと、アップルはiPhone XSやXS Maxにおいて従来よりも高速なワイヤレス充電が可能になったと述べているが、ここにも問題がある。アップルのQi規格のワイヤレス充電で供給できるのは最大7.5Wであり、これはUSB-C充電アダプタの18Wの半分以下だ。

また、ワイヤレス充電を行うとバッテリーの劣化が早いことも知られている。偶然かもしれないが、先週アップルはXSやXS Maxのバッテリー交換費用を発表したが、iPhone Xのバッテリー交換費用が29ドルだったのに対し、XSやXS Maxの場合は69ドルと、大幅な値上げになっている。

これらのことを考えると、新端末のなかで買うべきはiPhone XRなのかもしれない。XRの充電スピードも同じかもしれないが、電池の持続時間が長いことは既に分かっている。XR はより求めやすい価格でXSやXS Maxの機能の大半を実現し、さらに豊富なカラーバリエーションが用意されているという点で魅力的だ。

編集=上田裕資

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