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I write about mass-market retail.

「スナップチャット」でアマゾンの商品が購入可能になった(photo courtesy of Snap Inc.)

画像・動画共有アプリ「スナップチャット」のカメラを通じて、米アマゾン・ドット・コムのサイトで買い物をすることができるようになった。日間アクティブユーザー数がおよそ1億9千万人に上るスナップチャットからアマゾンへの流入を、大幅に増加させることになると見込まれる。

現在テスト中の新機能は、スナップチャットのアプリで商品の画像やバーコードをスキャン、または実物を撮影すると、その商品がアマゾンで購入可能である場合、ユーザーの端末にアマゾンのカードが表示されるというもの。カードをクリックすれば、アマゾンで商品のレビューを見たり、購入したりすることができる。ユーザーたちに歓迎されることは間違いない機能だろう。

消費者がソーシャルメディア上で広告を見る機会は増加しているが、それらの広告からアプリ使って直接買い物ができるようにすることは、技術的な理由で遅れていた。だが、こうした状況も今後、変化していくことになると考えられる。

画像・動画共有アプリのインスタグラムとスナップチャットのどちらも頻繁に利用するというユーザーが多い若い消費者を中心に、ソーシャルメディアを通じた買い物が増える可能性は大きく高まっている。

両社に大きなメリット

スナップチャットには、画像検索ツールを通じたショッピングの機能によって売上高を伸ばすという明確な目標がある。一方、アマゾンは今のところ、この新機能について何も発表していない。

商品を検索する際、グーグルさえ使わずに最初からアマゾンで探すという消費者は、すでに多数に上っている。商品検索の半数近く、あるいはそれ以上が、アマゾンのサイトから始められているとの調査結果もある。特に目当ての商品がある場合、多くがアマゾンのサイトから品物を探し始めていることは明らかだ。

これは、市場シェアの獲得と顧客忠誠心の向上のいずれの点においても驚くほどの成功を収めているアマゾンの有料会員制プログラム、プライムのおかげでもある。

だが、世界最高のテクノロジー企業の1社といえるアマゾンも、これまでモバイルに関してはあまり良い成果をあげていない。それは、デバイスでもアプリでも同様だ(「ファイアフォン」を覚えている人がいるだろうか?)。

パフォーマンスマーケティングを専門とする米パフォーミクスのメディア・ディレクターは両社の提携による新機能について、「アマゾンにも同様に、大きな利点がある」と指摘。次のように述べている。

「アマゾンは過去にソーシャルネットワークやスタンドアロンアプリの開発を試みたが、それらの世界的大手と競い合うことはできなかった。スタンドアロンの画像検索ツールは、自社での開発も販売も困難だ。既存の、またはスタンドアロンのアプリを使って新たなユーザー体験を生み出すことも、失敗に終わる傾向がある」

ホリデーシーズンを前に、買い物はより一層、ビジュアルとソーシャルを伴ったものに変化している。インスタグラムと画像共有アプリのピンタレストもそれぞれ、「ストーリーズ」と「レンズ」での画像検索ツールを使った買い物を可能にしている。

若い消費者がより長い時間をスナップチャットに費やすようになり、ソーシャルプラットフォームのプライバシーや信頼に関する問題が拡大するなか、スナップチャットとの提携による新機能はアマゾンにとって素晴らしいものとなり、同社をより大きく後押しするものになるだろう。

編集=木内涼子

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