ビジネス

2018.09.30

自分を「相手に似せる」ことで、誰でも第一印象をよくできる 

fizkes / Shutterstock.com

親しくなった人から、「最初に会ったときのあなたの印象は良くなかった」と聞いて、驚いたことはないだろうか? それが、もし重要な取引をする相手だったとしたら……後から考えてもぞっとする。できれば、第一印象から、相手にはスマートな好印象を与えたいものだ。

実は、ちょっとしたコツさえ知っていれば、誰でも第一印象を良くすることはできる。もし、会う前に先方の情報があるなら、できるだけ相手や、相手が所属する集団に自分を似せるのが鉄則だ。最近ではSNSを見れば、どんな人物で、どんな仲間がいるのかある程度わかることも多いのでできればチェックしておくといいだろう。

職種にもよるが、相手のことを考えずに強引に自分を売り込もうとすると、印象的であるより単に「変わった人」と受け止めれ、期待するほど効果を上げないケースが多い。理由として、私たちはまず「自分と似たもの」にしか、安心して心を開こうとしないからだ。これは、「私たち」というより、動物の本能だ。

極端だが、太古の草原で、相手と出会ったとしよう。向こうからやってくるのが、自分と同じような見た目ならば、自分に危害を加えそうにない「仲間」だと認識する。ところが異質感が強ければ、そうはいかないだろう。つまり、初対面のときは、相手や、相手が普段接している集団に自分を似せて、「味方」だと感じてもらうことが重要というわけだ。

頷きを頻繁に取り入れる

もし、事前情報なしにその場面を迎えたなら、会ったときに、その場で相手から得られる範囲で似せればよい。相手の「話すスピード」や「アイコンタクトの強さ」に注目することだ。

話すスピードの速い人は、相手にゆっくり喋られると、コントロールされているように感じてイライラする。アイコンタクトの強い人は、威圧的に感じるかもしれないが、実は用心深い人だ。こちらも相手をしっかり見かえして、睨まぬよう、頷きを頻繁に取り入れれば信頼関係は深まる。

まずは相手に自分を似せてから、徐々に互いの違いをわかり合っていくほうが、深い付き合いになるだろう。

付け加えるならば、「似せる印象づくり」を相手も熟知している可能性もある。会いたいと言われて約束をした人が、自分の仲間と何となく似ていたら、気を許す前に、徹底的に自分が分析されているかもしれないと用心することも必要だ。

連載:表現力をよくするレシピ
過去記事はこちらから>>

文=中井信之

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事