大麻に関連した罪での逮捕者は、2016年には65万3249人だった。だが、2017年には65万9700人に増加した。FBIのデータによれば、製造・販売だけでなく、単なる所持についても取り締まりが強化されたことが原因だとみられている。
昨年の大麻所持による逮捕者は59万9282人で、2016年の58万7516人より多かった。一方、昨年中に製造・販売で逮捕され人は6万418人で、前年の6万5734人から減少していた。
米国では2016年の大統領選と同時に実施された住民投票で、4つの州で大麻の合法化が承認された。そのうちカリフォルニア、メーン、マサチューセッツの各州では投票結果が判明してから間もなく、嗜好用大麻の所持が認められている。また、ネバダ州では今年末までに、合法的な所持を認める法律が施行される予定だ。
大麻の合法化を支持する米国の団体、マリファナ・ポリシー・プロジェクトの関係者はあるインタビューで、「オピオイド系鎮痛剤の過剰摂取で毎日100人以上が命を落としているなか、米国の限りある警察当局のリソースを文字通り誰も死亡させていない薬物(の取り締まり)に集中させることはばかげている」と話す。
また、大麻合法化の推進団体であるNORML(National Organization for the Reform of Marijuana Laws)の関係者は、法執行機関の行動は国民が(合法化を)支持していることと、基本的な倫理観のどちらにも反するものだと指摘する。
「大麻が合法化された州に人口の20%が住み、医療用の大麻またはその抽出物がほぼ全ての州で一定の法的保護を受けている今、議員たちは多くの人々の人生を台無しにする無分別で残酷な大麻禁止を終わらせるべきだ」
米国では昨年、違法薬物に関連した逮捕者が163万2921人に上った。このうち大麻関連での逮捕者は、全体の40.4%を占めていた。
一方、違法薬物に関連した罪での逮捕者は2016年に157万2579人だったことから、全体として増加傾向にあることが分かる。およそ19秒に1人が逮捕されているという。