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2018.09.26

レコード販売で大成功、CEOが語る「プレミア感を売る」ビジネス

Vinyl Me, PleaseのCEO マット・フィードラー(photo courtesy of Vinyl Me, Please)


事業計画書を書いたこともなかった

フィードラーたちスタッフが選ぶのは、年月が経っても色褪せない作品だ。同社の音楽部門のチーフ、キャメロン・シーファーによると、これまで最速で売れたのはゴリラズの「Demon Days」(2005)だという。300枚限定のアンダーソン・パークの「Venice」(2014)も5分以内に完売した。

フィードラー自身、膨大な数のレコードを聴いて育った。「バンドのギタリストだった父の影響で、子どもの頃から常に音楽に浸っていた。父のレコードコレクションをCDに焼くのが私の仕事だったんだ。その後、音楽ビジネスを学ぶようになった」

Vinyl Me, Pleaseは、フィードラーと共同創業者のタイラー・バーストウが人々とレコード愛を共有するためのコミュニティとして始まった。「当時の私たちの夢はとてもささやかなもので、かつてのレコードクラブのようなコミュニティを作って、生計が立てられたらいいなという程度だった。事業計画書を書いたこともなかったし、プランを他人に語ったこともなかった。それが今、毎月40000〜45000枚を発送するまでになっている」

会員は世界40カ国に分散しており、レコードに触れるのが初めてのミレニアル世代から40代以上の音楽ファンまで幅広い。最近、レコードの累計販売数が100万枚を超えた。

「(会員が既に持っているレコード枚数が)2枚だろうと500枚だろうと、音楽が本当に好きならコレクションはすぐに増えるだろう。コンサートに行くたびにアーティストグッズが増えていくようにね」

編集=海田恭子

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