夜にメールする上司は「悪」なのか?

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・送信延期機能は非効率的

夜メールする人へのアドバイスで良くあるのは、送信延期機能を使って翌日メールが届くようにする、というものだ。だが、大量のメールに対応しなければならない人にとって、これは非常に非効率だ。アウトルックでは、1通のメールの送信を延期するために5回クリックする必要がある。数件メールをする程度なら問題ないが、それより多いと生産性が劇的に落ちてしまう。

・チームメンバーに自分の仕事の大変さを知ってもらう必要がある

私の1日がオフィスを出たら終わると装うことは、私の仕事内容を正確に表しているとは言えない。もし私が夜仕事をしていないかのように振舞っていたら、いつか私の仕事を引き継ぐ人が大変な思いをするだろう。どれ程大変かを知った上で後継者になることを決意してもらう方がよい。

・ワークライフバランス批判は特権的立場からみたもの

米国では800万人近くが生活のために2つ以上仕事を掛け持ちしている。このうち、特に女性や低所得層の家庭は、私はおろか、私の会社で働く誰よりも蓄えや稼ぎが少なく、生活も大変だ。

私が夜メールを送る時間に、2つ目、時に3つ目の仕事を始める人がいる。これを考えると、夜メールを送るのはワークライフバランスに悪いと過剰に心配することは、現実にそぐわない。

リーダーができる最も重要なことの一つは、自分の考えを明示することだ。自分が夜メールすることが価値ある投資である理由をきちんと説明すること。また、期待値を設定しておくことも重要だ。私が期待していることは、夜メールをする習慣のある他の人々とかなり近い。幸いにも、私たちが求めることはシンプルだ。

第1に、もし私が夜メールしても、受け手は翌日メールをチェックする時間まで、完全かつ罪の意識を感じることなく無視すること。もし本当に緊急の場合は電話をかけるだろう。ちなみに、実際に電話をかけることは絶対にない。そこまで緊急な要件などないからだ。

第2に、不均衡な力関係のせいで、私のメールに返信しなければならないというプレッシャーを感じるなら、その力関係の下であなたに命じよう。夜にメールチェックをしてはならない、と。

第3に、もし夜メールすることが自分にとって一番やりやすい方法なら、そうすればいい。夜メールしないように人々にアドバイスする専門家たちは同時に、それぞれのワークスタイルを尊重すること、また、時間ではなくエネルギーを管理することが大切だとも主張している。

第4に、もしあなたが夜メールをしない場合、夜メールをする人を責めないこと。メール以上に夜犯すべきではない大罪は少なくとも7つあるのだから。

編集=遠藤宗生

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