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プロテラのEVバス(photo courtesy of Proterra)

元テスラ社員のライアン・ポップルらが率いる電動バスメーカー「プロテラ(Proterra)」は、米国全土の公共バスをEV(電気自動車)に置き換えることを目標としている。

BMWやGMからの出資を獲得した同社は、ドイツのダイムラーが主導した資金調達ラウンドで、新たに1億5500万ドル(約174億円)を調達した。傘下にメルセデス・ベンツを持つダイムラーの出資を受けたプロテラの累計資金調達額は約6億ドルに達した。

カリフォルニア州本拠のプロテラは今後、ダイムラーの「トーマスバス」部門と組んでスクールバスの製造を開始すると声明で述べた。

バッテリー技術に強みを持つ同社は、約1年前に「Catalyst」と呼ばれるEVバスを、一回の充電で1100マイル(約1770キロ)走行させることに成功。その後、プロテラは同社のE2リチウムイオンバッテリーを、ベルギーのバスメーカー「バンホール」の長距離バスや、英国の「アレクサンダー・デニス」の2階建てバス向けに提供する計画を明かしていた。

CEOのポップルは声明で「自動車業界のグローバルリーダーであるダイムラーから、支援を受けられて興奮している。クリーンで低騒音なEVの普及を目指す当社のビジョンを共有する、既存の出資元にも感謝したい」と述べた。

プロテラはこれまで米国とカナダの企業に累計675台のEVバスを納入しており、1台あたりの平均価格は70万ドル(約7850万円)以上。売上は約5億ドルに達している。テスラの財務部門の元社員で2010年のIPOにも関わったポップルには、ベンチャーキャピタルの「クライナー・パーキンス」での勤務歴もある。

同社でCOOを務めるJosh Ensignもテスラの製造部門で幹部を務めた人物で、バッテリー部門主任のDustin Graceも、テスラのリチウムイオンバッテリーを開発していた。

今回、プロテラが参入するスクールバス事業は、一般的な旅客バス以上の可能性を秘めている。スクールバスの一日あたりの走行距離は、公共バスよりも少なく、運行は朝晩のみに限られるため、日中に充電を行うことが可能だ。特に、太陽光発電が盛んなカリフォルニア州では発電量がピークに達する時間に、充電可能なことは大きなメリットになる。

ポップルはバス用のディーゼル燃料の使用をやめるという目標も掲げており、夏休みの期間中にはEVスクールバスを別の目的に利用するアイデアを持っている。

フォーブスの取材に彼はこう述べた。「夏の間、EVスクールバスは移動式の電源ストレージとして活用できる。災害や緊急時の電源供給手段としても有効なツールになる。日中に溜め込んだ電力を、電力需要が高まる夜に放出するグリッドとしても活用できる」

プロテラは近い将来、IPOを行うとの観測も高まっているが、その件に関するコメントは得られなかった。

編集=上田裕資

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