部下との信頼を構築する方法 必要なのは3つのコミットメント

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生産的な会話には準備が必要だ。技術戦略企業CMIのスティーブ・ジョンドメニカ最高経営責任者(CEO)は、相手との会話前に次のステップを踏むことを勧める。

・議題を特定する

問題を1文にまとめ、重要なことを書き出す。冒頭のジョンの場合は「私は蚊帳の外に置かれている」「ポールと私は相反する決定を下している」などだ。こうすれば会話は直接的にならざるを得ないので、明確さが増し誤解を防げる。

・理想の結果を定義する

会話を通して達成したい結果は何だろう? ジョンの場合「全ての主要な決定は事前に議論する」かもしれない。

・部下の行動例やその影響を書き出す

大半の人は、例を準備する必要性を理解している。しかし、相手に問題の重要性を認識させるには、その影響を伝えることも大事だ、とスティーブは強調する。ジョンの場合、ポールがコールセンター移転の決断を覆したことで会社のコストが増え、従業員はジョンとポールのどちらがリーダーなのか分からなくなったかもしれない。

特定の例が挙げられず、感覚的に何かおかしいと感じている場合、「十分なデータはないが気になった」と言って会話を始めることをスティーブは勧めた。

会話中こそ相手との信頼関係の力を活用すべき、とスティーブ。「関係を構築し、相互の信頼関係を強化するため相手とウィンウィンの関係を作るのが理想だ」。このため、彼は次のプロセスを踏んでいる。

・善意を確認する

スティーブは、気まずい会話を行うとき、相手がチームにとっての最善を考えているかどうかを尋ねる。「その答えが偽りのない『はい』であれば、相手はこの気まずい会話も脅迫的だと感じず、建設的なものと認識する。答えにためらえば、どこで信頼関係が崩れているかに焦点を当てる。このプロセスで後の会話の基盤が作られる」

・会話の枠組みを作る

スティーブは、事前に準備したメモをミーティングに持ち込むことが多い。会話が難航した場合、「これは難しい議論だが、正しく行いたいのでメモを持ってきた」と言うとのことだ。

・相手の認識の有無と、意図的だったかどうかを聞く

相手が故意に問題を起こしたわけではない可能性もある。この質問をすることで、相手に経験の共有を促し、あなたの認識を述べることができる。

・合意で締めくくる

スティーブは、これが会話の中で最も大事な部分だと考えている。行動を起こす責任が生まれるためだ。彼は会話の後、合意事項をまとめた感謝のメモを送り、フォローアップすることが多い。「これは非常に強力だ。相手が約束を守らなければ、会話を全て蒸し返す代わりに『でも、〇〇に合意しましたよね?』と言えば良い」

信頼は、コミットメントを立て、守ることが基盤となる。こうしたコミットメントを明確化し、部下があなたの期待値を達成すれば、信頼と説明責任を効果的に両立でき、あなたの方では詳細を把握しなくても安心していられるようになる。

翻訳・編集=出田静

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