CEOが直面する「予想よりも難しい」4つの問題

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最高経営責任者(CEO)が直面する課題の数々については多くの情報が提供されている。しかし私は、CEOが直面する期待と現実のギャップについての分析をあまり見たことがない。

私が先日、CEOの考え方について思慮深い分析を行った国際コンサルティング企業エゴンゼンダーの調査「The CEO: A personal reflection(CEO:個人としての考察)」を発見し、興味を持ったのもこうした背景からだ。同調査は、予想していたよりもCEOらが難しいと感じたことなど、さまざまな分野をカバーしている。

興味深いことに、この中にはCEOの人間的な側面が含まれていることが多かった。私は長い間、「ソフトスキル」は簡単なスキルとは限らないと考えていたため、今回の調査はそれを裏付ける結果となった。ソフトスキルを正しく発揮するのは難しいこともある。ここで、調査の結果を見てみよう。CEOが予想よりも難しいと感じたことは次の4つだ。

1. 企業文化の変革をけん引すること

この問題を挙げたのはCEO回答者の50%だ。企業文化の変革がランキングの上位に挙がったことに、私は全く驚かなかった。既に定着している文化が変化に抵抗を見せるのはよく知られていることだ。私が企業で管理職をしていたとき、新たなCEOが文化変革を最優先として取り組もうとしたことが2度ある。どちらの場合も実行は難しく、太ももまで浸かる深さの糖蜜の中を走り抜けるのと同じくらい難しかった。

2. 自分のための時間や考察の時間を持つこと

48%のCEOが、これを予想外に困難なことと感じていた。時間はほとんどないのにやるべきことが多過ぎるため、自分のための内省の時間を見つけることは、どのようなレベルの管理職であっても課題だ。

3. 最高幹部チームの育成

47%のCEOが挙げたこの問題も、繰り返しになるがトップ入りして驚きではない。時間が足りないことと同じように、育成に関する問題はあらゆるレベルの管理職にとって課題となり得る。ハーバード・ビジネス・レビュー誌によると、優秀な若い人材が早期退社をしてしまう主な要因は、育成の機会がないことだとされている。

4. 短期的な財務目標と長期的な企業変革のバランス

マネジメントでは定番の難問だ。どのような組織でも、短期的な財務ニーズは長期的な投資・計画と常にバランスを取る必要がある。同調査では40%のCEOが、こうしたバランスの問題に悩んでいた。

経営学修士(MBA)やマネジメントプログラムは、財務、統計、データモデリングなどに大きく重点を置き、ビジネスの量的な側面にますます焦点を当てるようになっている。そんな中でこの調査は、ソフトスキルもCEOの成功を左右する大きな要因であることを、私たちにそっと思い出させてくれる。

翻訳・編集=出田静

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