テニスをすると長生きに? 平均余命とスポーツの関連性を調査

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「精神面への影響」が理由?

テニスのほか、バドミントンとサッカーの効果が大きかった理由の一つとして考えられるのは、これらは調査対象に含めたその他のスポーツとは異なり、2人以上で行うものだということだ。これには社会的交流を伴うという特徴がある。

これについて研究チームは、「定期的に集まるグループに属していることは、支え合い、信頼し合い、共有し合う人たちがいるという気持ちを強める。これらは幸福感につながり、長期的な健康を促進するものだ」と説明する。

また、テニスのプレーに伴う運動のタイプが影響している可能性もあるという。ゆっくり安定的な動作をするスポーツよりも、短時間に高強度の運動を行うスポーツの方がさらに効果的であるとも考えられているためだ。

英国で行われ、昨年結果が発表された大規模な研究でも、「全死因死亡率の低下に最大の影響をもたらすスポーツは、ラケットスポーツだ」との結果が示されている。それに次いで効果的だとされたのは、水泳とエアロビクスだった。

なお、新たに発表された研究結果については、注意すべき点もある。対象者の25年間の行動について調べた観察研究から導き出されたものだということだ。研究者らは平均余命に影響を及ぼす可能性があるあらゆる要素を考慮した上で調査を行っている。だが、人間がいかに複雑なものであるかを考えれば、完璧な信頼性を保証できる研究結果はないといえる。

編集=木内涼子

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