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右から、野澤隆之(安田造船所グループCEO)、秋元司(衆議院議員、国土交通副大臣、兼内閣府副大臣、兼復興副大臣)、ジョルジョ・スタラーチェ(駐日イタリア大使)、福井祐輔(下田市長

人口減による地方自治体の疲弊を食い止めるため、様々な地方創生案が実行されている。しかし一村一品運動やB級グルメなどは、イメージアップには繋がったとしても経済効果は小さい。2040年までに896の自治体が消滅するという、衝撃的な学識者のレポートもある中で、抜本的な対策が求められているのだ。

そんな中“ラグジュアリー”を武器に、伊豆半島の南端、下田市を盛り上げようという試みが始まっている。仕掛け人は、安田造船所グループのCEO、野澤隆之。彼は高級クルーザー(アジムット、バートラムなど)、ビンテージカー(アストンマーティン)、高級家具(B&B Italia)と、ラグジュアリーなライフスタイルを横断するかたちでビジネスを展開しているが、特に注目しているのが「海際のリゾート開発」。安田造船所が所有する土地を利用して、超富裕層が東京から気軽に遊びに行けるラグジュアリーリゾートを開発しようというのだ。


オーシャンフロントに広大な敷地があるため、様々な施設を作ることができるだろう。


安田造船所グループが仕掛ける「下田ランデヴー」は、今年で三回目を迎える夏のイベント。下田港を舞台に、高級車や高級クルーザー、高級家具を展示。さらに優雅なケータリングサービスや花火大会も開催される。このイベントの賛同者は、ポルシェやフェラーリなどの愛車(あるいはヘリコプター)で来場し、去り行く夏を楽しんだ。
 
ではなぜ“下田”なのだろうか? 1854年に日米和親条約が締結された際に開港した下田は、いわば日本の玄関口であり歴史的な国際都市でもあるからだ。「この街をどのようにデザインしていくのか。それが私のライフワークです。大切なのは知識と経験から生まれるセンス。ここにスーパーヨットに乗った超富裕層が集まれば、地元経済にも大きなメリットがありますし、地域をブランド化すれば、下田に憧れる多くの人々を呼び込めるでしょう。そのためのプラットフォームを作るのが、私の仕事です」と野澤は語る。


イタリアの高級ヨット「アジムット」の体験乗船も人気のイベント。


下田の夜を彩る美しい花火。



おいしいお酒や音楽、フードもイベントを盛り上げる。


壮大な計画ではあるが、決して絵空事ではない。それは今回の下田ランデヴーに来場したゲストたちの言葉が裏付けている。一人は地方経済に力があるイタリアの駐日大使ジョルジョ・スタラーチェ。彼は下田の自然を愛し、プライベートでも訪れたことがあるという。「下田を見ていると、イタリアの港町を思い出します。自然環境と風土は完璧ですし、起伏にとんだ海岸線も美しい。ただし足りないモノもある。観光客用の埠頭や高級ホテル、ディスコなどナイトライフを楽しめる施設も欲しい。下田ならではの料理も知りたい。“行きたい”と思わせる下田ならではの体験があるといいでしょう」


美しい自然環境は、何にも代えがたい下田の価値となる。


もちろんこういった取り組みは、私企業だけで難しい。そこで会場を訪れた秋元司 国土交通副大臣にも話を伺った。「日本でもインバウンド消費が大きな経済力になりつつあります。例えばスーパーヨットで世界を旅する超富裕層を日本に呼び込めれば、その効果はかなり大きくなるでしょう。しかしそのためには“ハコとサービス”が欠かせない。安田造船所グループの取り組みは興味深いですね。行政側としても、例えば日本のどこの港であってもスムーズに入国できるようにするなど、ITなどを駆使したシステムを考えなければいけないでしょう。ストレスなく滞在してもらうことも、大切なサービスですからね」
 
人種や国籍ではなく、“資産”によってカテゴライズされる時代が到達しつつある。そして超富裕層の好奇心と発信力は、人々を動かす大きな力となるだろう。だからこそ日本流のラグジュアリーを構築して、地方へと目を向けさせるのだ。下田をラグジュアリーの力で再開発するという壮大なプロジェクトは始まったばかりである。

愛車を駆って下田までやってきた、ラグジュアリーライフの実践者たち。

Promoted by 安田造船所 文=篠田哲生

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