米大学で専攻すべき分野、1位はSTEMの「アクチュアリー学」

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大学で「STEM(科学、技術、工学、数学)」分野を専攻した人が高収入の仕事に就く傾向があることは、恐らく多くの人が知っているだろう。だが、その中でも特に高所得者になるチャンスが多くなりそうな専攻分野は何だと思われるだろうか?

個人向け金融情報サイト、バンクレートが先ごろ発表した調査結果によると、その答えは「保険数理学」だ。保険数理学を専攻した人の平均年収は、10万8658ドル(約1220万円)。職業別に見た平均年収のトップではないものの、失業率はわずか2.3%だ。

また、保険数理学を専攻した人のうち、学士号より上の学位を取得している人の割合は22%となっている。これは、意外な結果といえるだろう。バンクレートのデータアナリスト、エイドリアン・ガルシアによれば、「学士号の取得だけで毎年6桁の金額を手にすることができる専攻分野は、他にはない」。

保険数理士(アクチュアリー)の仕事とはどのようなものだろうか? それは、さまざまな事態の発生を防ぐ方法を検討して計画を立てるため、発生の可能性を割り出すことによってリスクを管理することだ。

保険数理学では、専門的な数学の知識、分析とコミュニケーションのスキル、コンピューターに関する知識などを身に付ける。卒業生は、保険会社やコンサルティング会社に就職する人が多い。

見込める収入が全てではない

興味深いことに、石油工学を専攻した場合の平均年収はより高額になるものの、ランキングの上位には入らなかった。卒業生の失業率がワースト2位の7.9%に上るためだ。また、金属工学を専攻した卒業生は51%が学位以上の学位を取得しているものの、失業率は5.0%。平均年収は12万4448ドルだ。

ガルシアは「子供にSTEM分野の教育を受けるよう勧める人は多く、調査結果からもそれは理解できる」と述べる一方、石油工学などを学ぼうとする学生については、「将来がある分野に進もうとしているのかどうか、よく調べる必要がある。その分野の将来は、市場の値動きで予測できるものではない」と指摘している。
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編集=木内涼子

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