カナダグースが店舗に「極寒体験」施設を作る理由

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価値観を重視する「新しい」高級品

質の高い完璧なダウンジャケットは、アウトドアブランドのザ・ノースフェイスやパタゴニアも販売している。だが、両社の製品の価格は300~400ドル(約3万3700~4万4500円)。500~1500ドルで販売されているカナダグースのダウンが「高級品」であることは間違いない。

ただ、カナダグースには従来の高級品とは異なる特別なものがある。同社は良心的で社会的公正や価値観を重視し、かつ現実的である次世代の消費者のための新たな高級品を提供するブランドだ。

「顧客は生涯使うことができ、“約束を果たす”製品に投資している」と考えるリースは、ブランドが持つ価値観は顧客にとっても同様に重要だと指摘する。消費者は「自社以外にも支えるべきものがある製品を作る企業と、その製品に投資する」という。

「消費者は現在、購入した製品と物理的、感情的に深いつながりを持つようになっている」

リースはまた、「わが社のビジネスモデルは、良い行いはビジネスにも役立つという考え方に根付いている。北極に関連する慈善活動は、わが社のブランドの一部をなすものだ」と述べている。

カナダグースのブランド価値の中核にあるものは、北極と結びついている。同社は展開する「PBIコレクション」のジャケットやアクセサリー類を1点販売するごとに、PBIに50ドルを寄付している。

編集=木内涼子

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