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日本の不動産最前線


3. 産業連関表の見直し

我が国では、総務省の「産業関連表」を用いて「新築住宅建設は経済波及効果が高い」ことを示し、かねてから景気対策の道具として利用している経緯がある。しかし、人口減少と40歳以下層の減少が顕著な我が国において、新築が造られれば、同時に、それを上回る空き家が生まれることは容易に想像できよう。そうした対策費も包含し、市場全体の生産誘発効果(経済波及効果)を見る必要があるはずだ。

空き家が放置されれば、前述したとおり倒壊や犯罪の温床となるリスクが生まれ、景観として街の価値を毀損することにつながる。こうした外部不経済がもたらすマイナス部分、各自治体で行う空き家対策費も膨大なことを差し引いて考えてみると、その経済波及効果は本当に2倍以上になっているのか、疑問が残る。

4. 中古住宅の「資産効果」に目を向ける

中古住宅流通は、取引価格そのものが個人間取引であるため、GDPにカウントされない。

しかし、もし日本の中古住宅が、築年数が経過してもその価値を維持することができていれば、それに応じたいわゆる「資産効果」により消費はより活発になっていたはずだし、担保価値上昇によって融資枠が生まれ、投資も相当程度増大していたはずだ。つまり、「個人に資産を持たせることによる資産効果(内需経済誘発効果)」が、中古住宅の活性化にはあるはずなのだ。

前述した通り、国はすでに中古住宅市場・リフォーム市場を育成しようと各種の政策に乗り出しているが、こうした方策と一体となって進めくことで、その動きがさらに加速することを強く期待したい。

連載 : 日本の不動産最前線
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文=長嶋修

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