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2018.09.20 07:00

全ては米国企業の模倣だった、中国「美団」CEOが歩んだ道

StreetVJ / Shutterstock.com

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中国のテクノロジー業界を代表するのが、BATと呼ばれる3社(バイドゥ、アリババ、テンセント)だが、次の世代を担う3社がニュース配信の「今日頭条(Toutiao)」、フードデリバリーの「美団点評(Meituan-Dianping)」、配車サービスの「滴滴出行(Didi Chuxing)」らだ。

この新御三家は頭文字をとって「TMD」と呼ばれており、香港市場に上場したシャオミ(Xiaomi)を加えて「TMD + X」と総称するケースもある。シャオミと美団点評は2社とも2010年に北京で設立された企業で、創業者が連続起業家であるという共通点がある。

美団点評のCEOを務めるWang Xing(王興)は、急成長を果たした中国のネット業界で何社もの企業を立ち上げ、そのほとんどを失敗させてきた。しかし、美団は例外的に生き残り、9月20日には香港市場で上場を果たすことになった。

米国のグルーポンの模倣から始まった美団は、その後の合併により「美団点評」となり、レストランのレビューから出前、配車事業、チケット販売まで行う総合プラットフォームに成長。3億4000万人の利用者を抱えている。

Wangはかつて、中国版フェイスブックやツイッター的位置づけの「人人網(Renren)」や「飯否(Fanfou)」を創業した人物で、フェイスブックの登場以前に人気だった「Friendster」の模倣サイトも運営していた。つまりWangは10年以上前から、中国のインターネット企業の、コピー文化の王道を行っていた人物といえる。

中国では2010年頃に1000社以上のグルーポンを模倣した企業が立ち上がり、現地のVCは軒並み、自社版のグルーポンを運営していた。そんな中、アリババとセコイヤキャピタル中国の出資を受けて生き残ったのが美団で、Wangの強力なリーダーシップによって勢力を拡大した。

2015年に美団は出資元のアリババやテンセント、セコイヤキャピタル中国が主導する合併交渉により「Dianping(大衆点評)」と合併を果たし、美団点評となった。

香港市場に上場後の美団点評の時価総額は、534億ドル(約6兆円)に達する見通しだが、アナリストの多くは同社が今後、数年の間は損失を出し続けると見ている

しかし、同社の初期からの支援者であるベンチャーキャピタリストのHans Tungは、美団点評の今後を楽観視している。今やスーパーアプリと呼べる規模に成長した、美団点評と戦える企業は他にはないと彼は話す。

中国で成功するための条件は3つある。優れたビジネスアイデアと、それを即座に具体化できる実行力、そして豊富な資金だ。

編集=上田裕資

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