全員アジア人の米映画「クレイジー・リッチ!」が達成した偉業

映画「クレイジー・リッチ!」主演のコンスタンス・ウー(Photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images)

「死霊館のシスター」や「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」に並ぶほどの空前のヒットではないものの、「クレイジー・リッチ!」が公開5週目に入っても好調だ。ついに累計北米興行収入1億4950万ドル(約167億3869万円)を達成し、今年の夏の映画(5/4〜9/3までの公開作品)8位に躍り出た。

同作はニューヨーク育ちの中国系アメリカ人女性が、恋人のシンガポールへの帰省に同行し、実は彼が飛び抜けて裕福な一族の御曹司であることを知る恋愛コメディ。監督はジョン・M・チュウ、メインキャストは主演のコンスタンス・ウーとヘンリー・ゴールディングをはじめ全員がアジア人という、アメリカ映画では異例の座組ながら、9月14〜16日の週末も約869万ドル(約9億7268万円)を稼ぎ、同週末北米興行収入ランキング5位の座をキープした。

ロマンチック・コメディとしては北米興行収入1億3200万ドル(約148億円)だった2012年の映画「世界にひとつのプレイブック」を抜き、過去9年間で最大のヒットだ。

「クレイジー・リッチ!」は北米外でも公開が始まっており、現時点の全世界興行収入は1億8804万ドル(約210億5380万円)。中国での劇場公開は未定だが、中国市場に頼らなくても十分な収入を上げることができるだろう。

一方、前週「クレイジー・リッチ!」に抜かれたジョン・ステイサム主演の海洋パニックアクション「MEGザ・モンスター」は、公開7週目で386万ドル(約4億3215万円)を稼ぎ、累計北米興行収入は1億3715万ドル(約153億5490万円)になった。全世界では5億665万ドル(約567億2301万円)と素晴らしい成績を記録している。

アジア人が主人公の作品といえば、ジョン・チョー演じる父親が行方不明になった娘をPC画面上で探すサスペンススリラー「search/サーチ」は、前週末から全米公開規模が2009館に拡大し、8週目にして318万ドル(約3億5601万円)を稼ぐ粘り強さを見せた。27歳のアニーシュ・チャガンティ監督によるこの作品は、既に国外で2634万ドル(約29億4889万円)を稼いでおり、米国内の興行収入も最終的に2000万ドルを超えそうだ。
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編集=海田恭子

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