同社の共同創業者でCEOのステファン・コーファーは、9月17日のプレス発表で、新機能の発表を行った。旅の計画を立てる際、友人や家族から得たお薦め情報を探すのは非常に手間がかかるものだ。
トリップアドバイザーは旅の情報が、ワンストップで得られる場になることを目指す。月間のユニークビジターが平均で4億5600万人に達しているトリップアドバイザーは、旅に特化したSNSとしてのポジションの獲得に乗り出す。
既に実施中のベータ版には500を超えるブランドやパブリッシャーが参加し、そこには「ナショナル・ジオグラフィック」や「GoPro」などが含まれるという。
「企業らは当社のプラットフォームを通じ、新たな顧客たちにリーチできる」と、トリップアドバイザーのプロダクト主任のElliot Cohenは述べた。レストランが最寄りの顧客らに、10%のディスカウントを提示することも可能になるという。年内の正式立ち上げの際には、多くの企業パートナーが参加する予定だ。
トリップアドバイザーは世界の旅行者の年間支出の10%以上に相当する、5460億ドル分の旅行関連支出に影響を与えているという。調査企業「comScore」によると、オンラインで予約を行う旅行者の5人中3人が、同社の情報を参考にしているという。
旅行者の支出は小売やレストラン業界にとっても、非常に重要だ。トリップアドバイザーが「Oxford Economics」と共同で行った調査によると、世界全体の観光支出は2017年に5兆2900億ドル(約592兆円)に達し、過去10年で約42%の成長を遂げている。
また、旅行客の支出は世界の小売り業の売上の5分の1に達しており、食品や飲料分野においては約15%を占めているという。レストランや旅行先を決める際に、友人からの情報を最も重視するという人は多い。
同社のSNS化が成功すれば、旅行客需要に支えられているニューヨークのティファニーやメイシーズも無視できないプラットフォームになり、トリップアドバイザーは新たな広告収入を得ることになる。