ビジネス

2018.09.23 18:00

50歳以上限定の出会い系「Lumen」が変えるシニア層の恋愛

Rido / Shutterstock.com

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出会い系アプリ「Badoo」を成功させ、「バンブル」の初期出資者としても有名な英国人起業家、アンドレイ・アンドリーブがまた新たなデートアプリを立ち上げた。今回ローンチしたマッチングアプリ「Lumen」は50歳以上の、シニア層をターゲットとしている。

アンドリーブとともにLumenを共同創業したArgougesは、ここに巨大な市場が眠っていると予測する。「50歳以上を対象としたマッチングサービスは、アプリではなくウェブサイトにしかない。50歳以上の単身者は北米と西ヨーロッパに8000万人以上もいる。しかし、彼ら向けのプロダクトが存在しないのだ」

Argougesは、Lumenに4500万ドル(約50億円)を出資した。Lumenのインターフェイスはティンダーにそっくりで、プロフィール写真をスワイプして相手を探す。登録にはセルフィーのアップロードが必須で、アルゴリズムがマッチングを行う。

創業チームはLumenのプロモーションで、オフラインを重視しているという。「利用者と対話しながら認知度を高めていく。今月はブランドのイメージに合うスポーツや音楽、カルチャー系のイベントでプロモーションを行う予定だ」とArgougesは話した。

アプリの機能面での差別化としては、Lumenの利用者はアルゴリズムで良いマッチングを得るために、最低3枚のセルフィーを登録する必要がある。これは、驚くべき機能とは呼べないが、50歳以上のマーケットは競合が少ないのがメリットだという。

英国と米国の結婚したカップルの約4割が離婚するというデータがあるなかで、Lumenのようなアプリは他にはみられない。創業チームはまず、とにかくやってみるというスタンスで、この事業を開始した。

「50代以上の人は50代以上の人とだけ、出会いたいのか? 彼らは出会い機能だけで満足するのか? 50代以上の人々はミレニアル世代と同様な出会いの意欲があるのか? このサービスによって、自分の年齢を前向きに捉える人々が増加するのか?」といった疑問を、Lumenを通じて社会に問いかけてみたいとArgougesは述べた。

Lumenは富裕層の人々に特化していく戦略を打ち出しており、ここに興味を示すパートナー企業も現れるはずだ。また、このアプリから入手できるデータは、様々なビジネスにも活用できそうだ。当初の目論見通りに規模を拡大できれば、彼らと組みたい企業は続出するに違いない。

現状ではLumenは英国限定で、iOSとアンドロイドのアプリストアで公開されている。しかし、近日には世界で公開予定という。

編集=上田裕資

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