男の同僚が先に昇進する本当の理由

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あなたは、これまでにさまざまなプロジェクトに名乗りを上げ、一生懸命働き、一貫して成果を上げてきた。自分は目覚ましい活躍をしてきたとさえ自負できるほどだ。それでも、喉から手が出るまで欲しかった昇進は与えられなかった。

そして今、あなたは自分が正当な評価を得ていないと感じていら立ちを募らせ、何がいけなかったのか見当もつかない。でも自分を不憫に思う前に考えるべきことがある。それは、昇進がかなわなかった理由は自分の圧倒的な仕事量にあったのかもしれないということだ。

ハーバード・ビジネス・レビューに最近掲載された研究結果によると、女性は男性と比べ、職場で昇進につながらない仕事に費やす時間が長い一方で、昇進につながる仕事に取り組む時間は短かった。

昇進につながらない仕事とは、「組織に利益をもたらすものの、個人の業績評価やキャリア向上にはつながらないようなもの」で、忘年会の企画など、いわば職場での“家事”と言えるものや、同僚の仕事の代行や低レベルの委員会への所属、スキルが必要とされずインパクトも小さい日常業務などのさまざまなタスクが含まれる。

さらに複数の調査によると、女性は昇進につながらない仕事に志願することが多く、上司に頼まれた時も断らない傾向にあることが分かっている。

だが、こうしたこまごまとした仕事によって女性は本来のポテンシャルを発揮できず、個人のキャリアのみならず会社の発展が妨げられる結果につながっているかもしれない。

ではどうしたらこの状況を変えられるだろうか? 意味がないように思える仕事を断り続けるだけでは、自分の望む結果は得られないかもしれない。以下に、そのほかに検討すべき3つのアプローチを紹介する。

1. 社内で違いを生むことは何かを知る

自分のポジションや自分の働く会社で、どの仕事が昇進しやすく、どれが昇進につながらないかを見極めること。求められるものは、その業界、企業、役割によってさまざまだ。ある会社では昇進に結びついても、今の会社では違うかもしれない。まずは、現在の職場で昇進につながるものを見極めよう。

最も簡単な方法は、観察すること。社内で常に称賛されるような業績はなにかを調べたり、同僚が昇進を決めたさまざまな方法を見出したりしよう。あの人は、チームやクライアントを悩ませてきた複雑な問題を常に解決してきたことで昇進したのか? それとも、新しいビジネスにつながる画期的な提案を行ったためか? 成果が認められるパターンを注意深く観察しよう。

また別の方法は、上司に対し率直に聞いてみること。例えば、「私が次のレベルに到達するのに向け、今すぐに取り組めるプロジェクトなどはありますか?」と訪ねてみればよい。

観察するにしろ質問するにしろ、自分の役割を通じて会社に本物の付加価値を与える方法を会得するためには、こうした問いへの答えを知っている必要がある。
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編集=遠藤宗生

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