フィンランド文化から学ぶ、人生設計の3カ条

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2. 自分の言葉を真剣に捉える

フィンランド人はコミュニケーションに関し、必要最低限のことしか言わないという純然たる独特の姿勢を持っている。世間話はできる限り避け、会話では沈黙の瞬間があって当然とされている。フィンランドのことわざには「人はその言葉で判断し、雄牛はその角で判断する」というものがある。言葉を真剣に捉え、自分の発言には責任を持つ必要があるという意味だ。

人生設計をしたい場合、本気で思っていることだけを発言するようにすること。欠点のない発言を心掛け、言葉を使って意思表示し、自分が望むものをはっきりと示した上で、それに基づいて行動すること。そして最も大切なのは、約束を守ることだ。発言に基づいた行動を積み重ねることで、自分自身や他者との間に信頼と責任の関係が築ける。

例えば私は毎年、自分の具体的な目標を書き込む「ビジョンボード」を作り、毎月それを確認して進捗状況を評価・調整している。続けていくうちに今ではもはや、目標(例えば1年以内に10万ドル以上の事業を作るなど)を書き込んだ時点で、それを達成できるかどうかという疑問はなくなった。達成できることは既に分かっていて、「どのようにして」はその過程で見つかるのだ。

言葉の持つ力を信じ、言葉に基づいて行動すること。あなたが偽りなく、目的に心を開くようになれば、適切な機会が降ってくる。注意を払っていれば、その機会には気づける。

3. 創造力のためのスペースを作る

フィンランドは世界でもトップレベルの技術力を持つ国であるのにもかかわらず、技術から離れオフラインになることをとても重視している。特に自然の中で、広大な空間や静けさ、時間を持つことが非常に大切にされ、求められている。フィンランド人は幼い頃から、雄大な自然を第2の家として考えるよう教えられている。あるフィンランド人は最近私に「私たちは、木の上から降りるのが他よりちょっと遅かった」と冗談を言ったほどだ。

現代の複雑な日常生活の中で、フィンランド人の幸福とはシンプルさの中にある。森の中をハイキングしたり、午後いっぱいを使ってベリーを摘んだり、サウナでリラックスした後に冷たい湖に飛び込んだり──。フィンランド人の自然とのつながりは、建築やデザイン、スタートアップ文化の大きなインスピレーションにもなっている。

夢を実現するため努力する中でも、外に出かけて仕事から離れ、頭をリラックスさせる時間を取ることを忘れないこと。野外で時間を過ごすことは、全体的な気分の向上、鬱の改善、血圧の減少など、さまざまな効果があることは、これまで何度も証明されてきた。騒音から離れることで、創造力を育てる空間が生まれる。創造力は、自分のライフスタイルを拡大する新鮮で新しい方法を探求し続けるために必要なものだ。

理想的な暮らしを実現したいという願望にのまれ、人生を楽しむのを忘れないこと。ワークライフバランスを最優先とし、自分の労働の成果を楽しんでもいいのだと自分に言い聞かせよう。

編集=遠藤宗生

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