フォーブス誌はそうした企業を特定すべく、市場調査会社スタティスタと共に、初の「新卒者にとって最高の就職先」ランキングを作成した。スタティスタは、従業員数1000人以上の企業で働く社会人年数10年未満の米国人1万人にアンケート調査を実施。対象者が自由に意見を述べられるよう、調査は匿名で行われた。
回答者は、勤務条件、給与、他人に勧められる職場か否か、などの基準を基に、自分の勤務先を採点した上で、自分とは異なる業界の組織も推薦。ランキングには最も推薦の多かった250社が選出された。上位10社は以下の通り。
1位 アドビ・システムズ
2位 任天堂
3位 エーオン
4位 海軍連邦信用組合
5位 USAA
6位 グーグル
7位 ミシュラン・グループ
8位 アスペン・スキーイング・カンパニー
9位 プロビデンス・ヘルス・アンド・サービシズ
10位 ジェットブルー航空
その社風でよく知られるグーグルや、フォーブスの「米国で最高の雇用主」ランキングで一位となったミシュランなど、新卒者の間での人気が予想される企業の順位は確かに高かったが、トップに輝いたのはソフトウエア企業のアドビ・システムズだった。
カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社は、自社の成功の理由を、現代の新卒者の欲求や要求を理解しているからだとみている。アドビのドナ・モリス上級副社長(顧客体験・人事担当)は次のように語る。
「大事なのは、学習や、新しいものに身をさらすこと、そして、自分より大きなものの一部になる機会。キャリアが駆け出しの人にとって、成長とキャリア向上の道があると分かるのは、とても重要なことだ」
アドビは、フルタイム社員になる前のインターンシップの時点から人材のキャリア構築を開始する。インターンシップは1万5706人が働く同社にとって重要な人材供給経路で、昨年夏だけでも約800人が参加した。
アドビは幅広いインターン採用活動を行っており、全米各地の大学や、IT系の女性人材育成を支援するガールズ・フー・コード(Girls Who Code)やテクノベーション(Technovation)といった組織を訪問して参加を呼び掛けている。
「多様性はあらゆるところからもたらされる。重要なのは、どの大学に行ったかではなく、大学で何をやったか」とモリス。「弊社に加わる学生には、私たちの顧客や、私たちが事業を展開するコミュニティーを反映した面々であってほしい」