当時の親会社だったタイム・インクは2017年に、前年度比8%の売上減を記録し、300名を解雇した。
しかし、調査企業「comScore」のデータによると、デジタル動画への注力により、タイムのウェブ版の月間ユニークユーザー数は3000万人以上に増加し、過去3年で15%以上の伸びとなっているという。タイム誌がデジタルへの注力を進め、現在のメディア環境に沿った運営を行えるかどうかは、ベニオフの手腕にかかっている。
メレディスのチーフエグゼクティブのTom Hartyは、「90年以上もの間、タイム誌は世界の主要メディアの一つとして君臨してきた。ベニオフの経営手腕によって、タイムがその栄光を保つことを期待する」と述べた。
セールスフォースの会長兼CEOを務めるベニオフは、10数社の企業に投資を行ってきたが、その大半はテクノロジーやソフトウェア領域の企業だった。その1社であるサイバーセキュリティ企業の「Illumio」の企業価値は10億ドル以上となっており、傘下には不動産アプリの「Compass」やホテル向けソフトウェアの「Duetto」もある。
アリアナ・ハフィントンの新たなメディア企業「Thrive Global」にも出資を行っているベニオフは、「タイム誌は世界の現状を映し出す鏡のようなメディアであり、そのビジネスは変革の時期を迎えている」と述べている。彼は現時点ではフォーブスからのコメントの依頼に応じていない。