中国でテーマパーク事業を運営するワンダ・グループ(大連万達集団)は2012年に、海外事業拡大の一貫としてAMCの株式の過半数を取得していた。今回のAMCの株式買い戻しにより、ワンダの持ち株は50.01%から38%に低下することになる。
中国のビリオネア王健林(ワン・ジエンリン)が率いるワンダは、中国政府が海外への資金流出に神経を尖らせるなかで、昨年から資産を売却する動きに出ている。
ワンダは2012年に26億ドルでAMCを買収。その後の数年間にわたり、エンタメやスポーツ分野を中心に巨額の買収劇を繰り広げてきた。しかし、ワンダのその動きに中国政府がストップをかけた形だ。
ワンダは同社が保有していたスペインのサッカーチーム「アトレティコ・マドリード」の株式も既に売却したほか、57億ドル相当の海外不動産事業の株式を、テンセントに売却している。また、ワンダフィルムの株式の一部、約12億ドル分をアリババと政府系の投資会社に売却している。